「サンゴ」の話をもう一つ…
(環境省による「サンゴ礁保全のための行動計画」策定)
環境省は、今年度内にもサンゴ礁保全のための行動計画を正式決定する予定~
との報道が先般ありました。
今後5年間に実施する具体策~
海洋保護区の拡大、
サンゴの天敵オニヒトデの駆除への取り組み、
石垣島沖の石西礁湖などで実施してきた再生事業の充実、
サンゴ礁保全に配慮したエコツーリズム等の観光産業の育成、
などが計画の柱となっています。
(サンゴの持つ多様な機能)
そもそも、これ程大切にされる「サンゴ」は、一体私達にとってどのような関係があるのでしょうか?
「サンゴ」(造礁サンゴ)は、クラゲやイソギンチャクの仲間であり、「動物」であって「植物」ではありません。
しかし、「動物」でありながら光合成をすると云う特殊な生き物です。
ですから、太陽光を必要とするため、陸地に近い浅海に礁を形成するのです。
そして、多様な生き物達の住処を提供し、
漁業資源や観光資源を提供するだけでなく、
環礁等の礁嶺を形成して海中の堤防と化し、陸地を波から守る重要な役目も持っています。
そして最近は、「地球温室効果ガス」の悪評著しい(IPCCの陰謀であって、実は根拠が乏しいとの意見もあります)二酸化炭素(CO2)を削減(固定化)する効果が大きいと注目されているのです。
石垣島沖の石西礁湖などで取り組まれているサンゴ再生事業の中でも、その効果増進が研究されています。
二酸化炭素は海中に溶けて炭酸イオンになりますが、
サンゴはこの炭酸イオンと反応し、その骨格成分である炭酸カルシウムに変化させ、固定化します。
これに微弱電流を流してサンゴの生育を活発化したり、
これに微弱電流を流してサンゴの生育を活発化したり、
鉄鋼スラグ製の「マリンブロック」を活用してサンゴの幼生の着床率を向上させたりしています。
この研究は平成18年からスタートしており、
2007年・2008年の「地球環境技術賞」を連年受賞するなど実績が認められています。
(サンゴ礁の保全のために)

人間活動による被害はもとより、
オニヒトデ等の異常発生による食害や、
気候変動による海水温の上昇による白化現象などか収まらず、
既に世界のサンゴ礁の20%が消滅したと言われています。
世界のサンゴ礁が固定化しているCO2はの量は、大気中の量の2倍あると言われています。
また、地球上のCO2の90%を固定化している石灰岩は、
その多くはサンゴ等の海洋生物の死骸が堆積したものであり、
サンゴが生育する海は、地球上のCO2の大部分を吸収・固定化しているのです。
サンゴ礁の保全は、森林保護と同様に、私達が身近に出来る喫緊かつ最善の「行動」ではないでしょうか。