山口県周南市には「徳山動物園」があります。
少し前に「マレー熊のツヨシ君」でちょっとだけ有名になりました。
その徳山動物園の近くに、我が妻の生家がありました。
現在は義父母の借家になっていますが、
昭和40年代~
そこは我が妻が小学生の夢多き少女時代を過ごした場所でした。
で、彼女が当時よく遊んで貰っていた「ミヤギさん」と云うご近所のお姉さんがおりました。
「ミヤギ」とは漢字で「宮城」~
近所には、沖縄からやって来て家族住まいをしている人々が結構いたそうです。
当時徳山では新興工業地帯を形成しつつあり、
その中心的存在のひとつが「出光興産」で、石油精製工場を稼動しさせていました。
その後、出光グループは、全国各地に石油備蓄基地を設置するのですが、
沖縄にも平安座島に大備蓄基地を設置しました。
ですから、石油製品の積出港である徳山には、沖縄を含む出光の石油備蓄基地に関係する各地から人々が集まり、やがて家族で移り住むようになっていたのです。

彼女はそのミヤギさんちで、豚の三枚肉の角煮をよく食べさせて貰っていたそうです。
独特の甘さや脂っぽさがあったとのことで、
それが沖縄料理だとの認識は持たないなりに、鮮烈な記憶としてインプットされたのでしょう。
義母に聞けば、
脂気の強い料理には、更に仕上げに「サラダ油」を振り掛けていたのを見てびっくりしたそうで、
それが返って脂っぽさを打ち消す効果があるとのこと。
沖縄料理には先人の知恵が詰まっています。
ところで、その「宮城」家は、あの琉球王族「尚氏」の係累らしく、
徳山の小さな沖縄コミュニティの中でも特権意識のようなものがあって、
張り合ったり競り合ったりして揉め事がちょくちょく勃発していたそうです。
そんな時は、お互いがウチナー口でまくし立てるものですから、
傍で話を聞いていても、何を言っているのがサッパリ分からなかったようです。
徳山の意外な沖縄との繋がりを知り、ちょっとした驚きでした。