監督はポール・ハギス~
C.イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を手掛けた人で、監督としての初作品です。平成18年のものです。
出演は、サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレーザー、ドン・チードル、マット・ディロン、キューバ・グッティングjr、など豪華な顔ぶれに加え、それが想定外の役どころなのがまた印象的です。
ロスの街中で、人々は複雑なストレスを抱え合っており、毎日を苛々と繰り返し~
主に人種的差別感情が絡み合い、関り合いながら、鬱々とした生活が錯綜している…
と云うのがこの作品の背景です。
それが、中南米人(?)の鍵屋の娘の「見えないマント」の奇跡によって~
ペルシャ人の商店主は狂気から救われ、
それを契機にして、関り合った人々の鬱屈した生活が次々に明るい方向へと展開を始めます。
この作品から垣間見えるのは~
差別感に満ちたストレスフルな米国社会の現実であり、
拳銃文化がそれを更に助長しているように見えます。
翻って我が国の現状について、私はこれまで「ヒステリックな社会だ」と繰り返していましたが~
「ストレスに脆弱な社会」と裏腹なんだな~
と云う結論に達しました。
偏見や誹謗・中傷、憎悪etc. … を受け止め、凌いでいくのに人々が不慣れなのではないでしょうか。
訴訟社会が我が国にも到来すると言われていますが~
バトルに立ち向かうタフさではなく、
クレームにもっと柔軟に対応できるだけの精神的余裕を…
心得ておかねばならないと、つらつら考えています。
(既出)