本の厚さ5cm、640ページに及ぶ大作なので、読み応えがありました。
「…それについて思いをいたす想像力は、先に挙げた数字のギミックの前でストップし、基地問題を生身の人間の問題としてとらえることを阻害している。我々日本人は、沖縄の基地問題について、二重の意味で不感症に陥っている。」
「軍用地」の項で記されていた文章ですが~
沖縄が辿った戦後史の「金看板」のその又奥を、同じ人間として沖縄の人々を検証すると、
傷跡に塩を塗り込むような生々しいことが~
我々本土人が背負っている歴史上の罪と共に曝け出されており、何とも居心地の悪い気持ちにさせられます。
民主党政権が始まり、日米安保条約見直しの行方が心配されていますが、
この条約を、単純に「廃棄すべし」と言えない情況にあるに拘らず、「廃棄すべし」と言わざるを得ない沖縄の悲劇が厳然と横たわっています。
「沖縄アンダーグラウンド」の項では、沖縄ヤクザの話がギラギラと書かれていて、つい読み耽ってしまいましたが、
こうした世界は、別に沖縄に限った話じゃないですよね。
如何にも、「沖縄だから凄いんだぜ」と云う書きぶりに、少々辟易してしまいました。