超長期廃墟探索ローラー作戦 物件133 北海道 三菱尺別炭鉱 | ボヤジャントの呟き。

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過去に行った廃墟探索、今後行う廃墟探索を振り返りつつ、政治経済の話題、時事問題、雑談や長年の趣味であるバイクやギターなどについて雑談して行くのです。

取材日時 2008年 8月26日

コメント・ここは炭鉱施設そのものというよりは、牧草地の中にぽつんと取り残されたかのように佇む二棟のRC二階建ての炭住ではないだろうか。
俺がここの物件を始めて知ったのは「クシロダイスキ」という釧路のローカル情報サイトで見かけたモノクロの写真だった。
3人の女性が立っている後ろに、まるで戦争映画にでも出てくるような重厚なつくりのコンクリート建造物が見えている。これについての詳しい説明はここではなされていなかったが、ほかにめぼしい物がない尺別炭鉱ではこの建物を探し出し撮影するだけでも十分価値があると思った。
しかし、雄別の次にこちらへ赴いて思ったが、意外と探し出すのに苦労した。まず、国道からまっすぐに伸びる道道を北西へズンズンと走っていく、民家などは国道を離れた時点で既に無く、周囲は全て牧草地帯。とてもこの先に炭鉱の町があったなんて想像もつかない、それは羽幌も雄別も美唄も同じなのだが、特に尺別に関してはJRの駅といい町の寂れ具合といい、飛びぬけて廃れ方が酷いように思えた。やはり、人が一気にいなくなるという事はその町が過疎という過程を辿ることなく一気に死に至らしめてしまうのかもしれない、どこにも痕跡が殆ど無いのだ。それゆえに最初は道道の終点と言うべき場所まで車を進めたが、これまでに無い深い藪と、路面が半分崩落した場所に遭遇してやむなく引き返す事となった。
恐らくあの場所から先にも何かあったとは思う、しかし今回の尺別での目的は二棟の炭住だけで、鉱山施設を探すという事は念頭に置いていない。その理由はネットにそれに関する画像や情報が全く無いからだ、勿論往年の記録写真はいくらでも見つける事は出来た、そうではなくて今現在の遺構や廃墟が探索の目的であって、それが無ければ行っても無駄になるからだ。
行き止まりの道道を延々バックで引き返し、たまたまダメ元で入ってみたわき道をゆっくりと走る、この先何も無さそうなあぜ道程度なのに轍が不自然にくっきりと残されている。そこからみても、この先にはもしかしたらという勘が働いた。やがて、道は木立の生い茂る丘を登る坂道となり、その先で突如視界が広がった。
目の前は見渡す限りの広大な牧草地。確か、あの炭住は牧草地のなかに要塞のように建っているはずだった。しかしそこでは何も見えない。ということで、車を降り丘全体が見渡せる所まで歩き、振り返ってみると・・・・・その先に目当てのRCニ棟炭住が姿を現した。
周囲を綺麗に刈り込んであるためにその建物が草原の中に浮かび上がっているようにも見える。現役の住宅と見まごうばかりに風景に馴染んでいる。しかし壁は剥がれ落ち窓ガラスというものが全く無い、やはり紛れも無く「廃墟」なのであった。
この日を持って北海道の廃墟めぐりは終了。
去年の夏、ここに忘れてきたものは全てやりとげた。これ以外にも遺構しかない炭鉱や産業遺跡は幾つかあるらしいが、この先にも関西~中国地方~九州ラウンドの廃墟探索が待ち構えているし、今回のメインディッシュである軍艦島上陸のイベントも予定されている。
それも考えてノルマを果たしたら北海道は離れると最初から決めていた。
明日以降は、夕張に一泊しその後は小樽へ向けて札幌市内観光をしつつ深夜発のフェリーに乗り、舞鶴へと一気に南下をする。

国道から尺別に向かう道道、通り過ぎる車は一台もなかった。
尺別にへの鉄道がこのカルバートボックスの上を通過していたわけだ。
現在は得体の知れない資材置き場となっている。
当然のことながら、記念碑もあった。
この建物もよく紹介される。
不法投棄の巣窟と化していたので内部に入る気は起きなかった。
探していた廃炭住、同じ所に建てられているのに、
なぜ見た目の構造が違うのだろうか。
内部には遺物とよべるものは殆ど無く、
床も無くなり山の上だからだろうか、朽ち果て方がかなり激しい。
窓の外には牧歌的な風景が広がる。
なんか音楽のPVとかに使えそうな気がする。
 
壁にあいた大穴から隣の炭住を見る。
なんとなくシュールな風景だ。関連画像はこちら