2005年 4月10日
コメント・超有名物件である。
今回は廃墟探索の為の休日ではなく、これまでに数え切れない程の回数訪れてきた「Z1で奥多摩ツーリング」というのが主たる目的で来たのだ。
よって、今物件の奥多摩索道の探索はあくまでもツーリングの余興としての位置付けで突入した。
しかし、予想以上に内部の雰囲気は抜群で、駅の下を通る国道の喧騒とは全く隔絶された非常に趣のある、そこだけまさに時間が止まっているかのような錯覚にとらわれるような感覚に襲われた。
規模もこじんまりとしていて、「ついで」の探索としてなら丁度いい。有象無象のバイク乗りがやってくる奥多摩という地方にありながら、ドキュソ爆弾を投下されているような形跡も殆どない。清潔感もあり、廃墟独特の陰鬱としたかび臭さを感じることはなかった。
大規模工場鉱山や、怪しさ事件性都市伝説の巣窟のような民家廃屋が自分の好みとする所だが、こういうドライな廃墟というのもたまにはいいものだと思った。次回は対岸の「三頭駅」に行って見ようと考えているが、季節はもう春。次に来るときには更に季節が進んでいるだろうから、樹木や雑草が生い茂っていて満足に撮影することは不可能だろう。晩秋~真冬が絶好の撮影適切季節だろう。事実、芝公園公太郎さんの「廃墟デフレスパイラル」の同じ物件を見ると真冬に取材されているが、雰囲気といい光量といい、まさにくろうと裸足の画像ばかりである。得てして閉塞的で退廃的な廃墟の写真をあれほどまでに開放的で牧歌的に仕上げているのは、公太郎さんの腕は言うに及ばずだが、取材する季節をきちんと選んだというのも大きな要因になったと思う。
しかも、今回の撮影機材はカメラ付き携帯だけである。今回はそれで十分だと判断したからだ。
仕上がりをみるとどうしても暗部での粒子の粗さが目に付くが、画素数ではクールピクスを上回っているだけに、明るいところでの画像はデジカメとさして遜色ないというのが驚きだ。
でも!、銀塩のあの奥行き感はデジカメではまだまだだねぇ。
でも次回訪問時もクールピクスだけで突入することになると思う。