Botom line, botom job. -19ページ目

Botom line, botom job.

結局のところ、底辺職。

霧雨と吹き出す汗でびっちょりな作業着が体に貼り付く、


きももち悪っ


ありゃあ晴れちゃった・・

ぐんぐん湿度が上がる。


俺は中華街、店頭せいろの肉饅か?


吐ーきーけー♪

息が上がって呼吸が8分音符。

両方のこめかみが絞られるように「ずきズキずき」(これは頭に巻いた手拭いをキツく縛り過ぎたかも)

常に立ちくらみ「ぐらんぐらん」

すべての物の輪郭が金色に点滅して綺麗ですらある。子供の頃おもちゃ屋で買ったプリズムみたい。

指がツる。

両手の指が変な形にツる。

マジシャンの決めポーズ?


「kenさん大丈夫ですか?」


(え。あれ? 俺なんか様子変?)

歳が俺の半分以下の『美青年』な職員さんが聞く。


全然大丈夫です走れます(いや正直キツいっす)


「さすが若々しい」


(おきずかいありがとお)


配車休憩で飲んだカルピスウォーターの美味しかったこと。



なんとか乗り切った。

熱中症第1ステージ、クリアだぜ。

これでも『えっせんしゃるわーかー(シャンプー?)』だから、熱中症だろうが倒れようが、走らないわけには行かないし休むことなんか出来ねい。

負けないぜ。

カロナール2錠ジャスミン茶1Lで「ごきゅごきゅ」




総務さんが、

「kenさんこれボーナスの明細ね」

「月末に入るからね」


ありがとうございます。


おおおおお。

給料の2ヶ月半(婚約指輪か?)も貰えるんだ。前職こんなに貰えたっけ?

TOCOTの任意保険、車検、延長保証に消えます。

ギターは買えないなぁ・・

欲しいギターないんだけどね。

ただね、

一度ゆーっくり『回る寿司屋』に行ってみたい。俺、数える程しか行ったことないんだよね。

 


早朝、キッチンの曇りガラスが茜色に染まると、


晴れるか。


呟く。

生きて来てずーっと夏が大好きだったのに、


こう来たか。

 

さっきまでいい感じに曇ってたのによぅ。

「ぱっきーんっ」と太陽。

海かよ?

夏だぜ。

要らんのだ今は。

 

作業開始40分

 

「ぶっしゅーっ」

 

(あじゃ)

右半身トマトスープまみれ。

こんなん慣れっこだ。

陽射しが暑いから手は止めない早く終わりたい。

トマトスープがなんだっつーんだ。

戻ったら洗濯すりゃいー、どうせ汗びっしょで着替える。

作業着に引っ付く茄子と貝・・

こーれはー

 

ブイヤベースだな!

 

更に1時間後、

 

「バッシュっ」

 

(うぎゃ)

トマトかぶる。

 

え。

逆だろ?

順番。

 

上半身トマトまみれ。

あれか?

今日はスペイン、バレンシアのトマト祭りか?

袋のままのトマト出すなよ。とは思わない。トマト禁止な家もあるかも知れないし元彼女トマト嫌いだったしトマトが親の仇な人も居るだろう。

暑い。

早く終わって戻ろう。

 

 

ロッカールームの冷蔵庫に今朝セブンで買って来たジャスミン茶1L

 

「ごきゅごきゅごきゅ・・」

 

あー

千駄ヶ谷ホープ軒の味だー(わかる人にしかわからない)

 

 

 

 

?。

 

この炎天下に出掛ける娘をJRの駅まで送ったげようとトコットで待機。

 

なんだあれ?

 

降りて見に行く。

 

あぎゃ

 

これはなんか中国製のおもちゃ?

バス通りからうちの路地に入るとこに鳥。

あれ俺これさっき踏んでないよね?

これ本物?

 

死んでる。

 

あびゃ

 

強い陽射しの中、アスファルトの上で目を瞑ってるおもちゃみたいな綺麗な鳥。

うぐいすかな?

3秒くらい見下ろしてから家に戻って庭を抜けガレージからスコップ。

ほんで「がっ。」と鳥をすくって、

 

「あら」

「メジロ」

 

と出掛ける娘。

 

そなの?

 

「うん。」

「メジロ」

 

後で埋めたげようと。

猫の隣にでも。

 

「うん」

「そだね」

「また綺麗な花が咲くといいね」

 

 

 

もう何年になるんだろ。

10年は経ってないか。

俺のiPhoneに残る262枚の『子守り』をさせてもらってた頃の画像。

 

乗り越えられるもんだなと。

乗り越えたんではないか、生き続けちゃうから仕方ないのか。

どんなことでもそんなもんか。




職場で既に一人、熱中症で倒れた。

聞いてはいたし散々脅かされてたけど、確かにこれはキツい。

もう倒れるか?まだ待つか?

ギリギリのところで走る。

今日の俺は大丈夫だろうか?

あと明日一日持つだろうか?


毎朝明け方カーテンを開けて、

「ちぇ」

「晴れてんのかよ」

人生ずっと夏男な俺がこんなことを言うなんて。 

それでも走るけどね。