手球の直進性について | 行け! 武蔵小山撞球隊

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長年性懲りもなくビリヤードをつづけてきたおじさんが、
なんだかんだといい加減なことを綴ります。



だんだん暖かくなってきたので、例によって妄想に耽っております。
春は妄想の季節ですね。
本日は、頭の中で白い球や黄色い球がクルクル回りつづけている私の妄想の一部をご紹介しようと思います。



これ。
愛用している黒鯛タップです

先日このタップの説明を読んでおりましたら、
「中心部は直進性を重視して硬めに、周囲は喰い付きを上げるために柔らかく」
こんな事が書いてある。

「喰い付きを上げるために柔らかく」の部分はなんとなく理解できますが、どうにもよくわからないのが「手球の直進性」、これです。

手球の直進性とは何であるか。
だって、球は撞けばまっすぐ転がるのですから、特別に「直進性」なんて書くまでもありません。
本日はこのあたりを少し。


私の考えではストロークには大別すると2種類あって、それは昔の台湾選手のように「ポン」と撞くのと、フィリピン選手のように「デローン」と撞く2種類です。
これはどちらがいいかという問題ではなくて、要は使い分けだと思います。



上図は10番が穴に向かっています。いわゆる「死んでいる」状態。
この球はまちがってヒネリが入らないように手球のまん中をポンと撞く人がほとんどだと思いますが、どうですか?
ポンと撞いてもデローンと撞いてもちゃんと手球のまん中を撞けば同じなんですけど、つい余計な力が入ってヒネリが出たらエラい事ですから、ポンと撞く方が事故が少ない。

この場合は、球離れを早くするためにタップは硬い方がいいと思います。
できれば鋼鉄製のタップで、しかもチョークも塗らない。
そうすればヒネリは入りませんからね。



一方、こちらは10番が穴からズレています。
ここではポンと撞くのではなくて、たぶん手球の右側をデローンと撞く人が多いはずです。
手球の回転を3番に伝えたいこの場面では、球離れの早い鋼鉄製のタップは不可でしょう。

このように、わずかな違いで撞き方が変わり、それに応じてタップに求められる性質も違ってくるわけで、「ポン」と「デローン」の両方に対応できるようにまん中と端の硬さを変えたのが黒鯛タップの新工夫だったのでしょう。

以上が私の解釈ですが、このタップの考案者の加藤P、どうですか?
そんなに違わないと思うんですけど・・・


直進性について書いたついでに、完全回転について少し。
完全回転というのは球がラシャの上で滑りもせず空転もせず、球の直径を6センチとすれば1回転で6×3.14センチ進む状態のことです。



この動画のように、滑ったり空転したりすると方向がズレやすく、ほら、雪道で急加速したり急ブレーキをかけるとどちらに向いて行くやらわからない。あれと同じです。
完全回転していれば方向性・直進性に優れています。



さて、より早く手球を完全回転の状態にするにはどこを撞けばいいのか?
それは上から2/5の点です。

ちょっと計算してみます
球の直径を6センチ(60ミリ)とすれば、2/5は上から24ミリのところ。
上から24ミリは、中心から6ミリ上です。
さて、ポケットの場合はタップの直径は大体13ミリですので、半径は6.5ミリ。
つまり、タップの下端を手球の中心に合わせれば、それが上から2/5という事になります。
まあ、手球もタップも丸いので誤差はありますが、一応これが目安ということで。

この2/5よりも上側を撞けば手球は空転し、下側を撞けばラシャの上を滑って進むわけで、まん中を撞いた場合は最初少し滑った後に完全回転になります。


えっ?
どうして2/5なのかって?






そんな事は知らん!

いいではないか。
私が2/5と信じてるんだから、そういう事にしておいてくれ。
これはBOSS家の先祖代々からの言い伝えで、一般的には「オームの法則」と呼ばれています。



こういう球をですね。
チョコンと撞くのでもいいのですが、できれば上から2/5を手球を送り出すように撞く方が美しい。

そんな撞き方をすれば、球屋の店内は、




春を呼ぶ梅の香りがすることでしょう




そんなわけで、世界平和にまったく貢献しない記事を書いていたところ、本日またひとつ歳を取ってしまいました。
ちょうど金曜日ですので、毎週恒例の「東京14-1倶楽部」の練習会に参加予定ですけど、大勢集まったらミニトーナメントでもやって優勝してやろうとたくらんでおります。
CUE(渋谷)で20時頃からやっていますので、あまり強くない人はぜひどうぞ。