加藤先生はこう説明される、「中国は今や政治・経済大国です。これは誰もが認めるところです。しかし、社会には不安を持つ国民が多い。又、少子高齢化がこれから一気に進む。社会は極めて不安定なんです」。この国の舵取りは非常に難しいということか。国の未来に希望を持たせることが、今最大の課題になっているのかも知れない。


では、そういう中国と私たちはどう付き合っていけば良いのか。これに対する加藤先生のお話は非常に説得力のあるものだった。すなわち、①日本は歴史の問題、戦争責任という負の遺産から目をそむけることなく、きちんと学ぶべきだ。そして、②日中間には日中平和友好条約がある。中国に対する要求は、この条約、すなわち、法に基づいて要求すべきだ。


私は戦後生まれだが、伯父は上海で戦死しているし、父は学徒出陣しているから、まだ戦争のことを生々しく感じ取れる世代だったのかなと思う。それでも、戦後アジアの国々に対して行なった補償や経済援助で戦争責任は帳消しになったというような感覚を持っていた。しかし、最近そんなに単純な話ではないように思う。もし他国の軍隊が日本にやってきて、自分の家族が殺されでもしていたら、その悲しみ、怒り、恨みは易々とは消えないと思うのだ。


しかし、幸い、日本も中国も法治国家で、日中平和友好条約という大きなパイプでつながれている。少し想像すれば分かることだが、互いの愛国心から軍隊が向き合い、我慢しきれずに挑発でもしたらどうなるのか。そういう対峙よりは、条約を元に口論する方が余程平和的で相手の譲歩を引き出すことも可能だろう。中国人も消費者の立場になれば日本製品の品質や安全性を好んでくれている。そういう共通点を見て、重複する部分を大きく強くしていくことが大事のように思う。


ボルネオ7番のブログ-千葉校友会3
(こちらは校友が描かれた水墨画。お見事!)

加藤先生は、2009年に習 近平第7代国家主席(当時は副主席)に会っておられる。先生のお話によれば、非常に慎重な物言いをされる方だったとか。太子党の一人で、文化大革命では反動学生とみなされ地方に下放されている。そんな経験から、発言には慎重を期す姿勢を身に付けられたのか。


結局、習 近平国家主席は福建省に17年間も勤務されている。会社で言えば、長い地方支店勤務だ。ただ、無為の日々を送られた訳ではなく、その間に台湾企業を福建省に誘致し、一方では、インドネシア財閥との親交を深めたりと、着々と実績を積み重ね、人脈を築き上げるという現実派、行動派のようなのだ。


その習 近平国家主席が、今は声高に「中国の夢を実現する」と宣言し、2020年にはGDPと国民所得を2倍にすると国民に約束された。又、中国を世界に冠たる国家にすべく海洋強国を目指すという、近隣諸国からすれば聞き捨てならない方針まで述べておられる。慎重な物言いが印象的だった習 近平国家主席だった筈なのに、一体どうされたのか。


(続く)


ボルネオ7番のブログ-千葉校友会2
こちらも校友が描かれた油絵。しばし見とれてしまったヽ(゚◇゚ )ノ

ユニクロの年商が一兆円を突破した。


売上は昨対23%の伸びだが、中味を見ると国内売上の成長率10%に対し、海外売上は64%の伸びだ。海外進出に加速が付いてきたということだろうが、ユニクロが最も注力しているのはやはり中国市場だろう。


9月30日には上海に新しいショップがオープンした。8000平米というユニクロにとっては世界最大のショップだが、10時の開店前から大勢の中国人が押し寄せ、列を作って開店を待ったらしい。しかし、何故こんなにも人気があるのか?ユニクロの商品には中国製が多い筈だ。


ある新聞記事は、その人気の理由を、「ユニクロの商品は日本製ではなく中国製だが、言ってみれば、日本品質の中国製だから」と分析していた。なるほど、説得力がある。それで思い出したのが、加藤千洋先生のお話だ。


加藤先生は元朝日新聞の記者で、テレビ朝日の報道ステーションではコメンテーターを務められたりもしたが、現在は同志社大学大学院グローバルスタディーズの教授として活躍されている。先日、千葉県の校友会に講師として招かれ、中国について語られたのだが、それを聞く機会に恵まれた。


印象に残るお話がいくつもあったが、その一つは、「中国では空気汚染が問題になっていますが、反日デモに参加した中国人の中には、解散後、デパートに立ち寄り、日本製の空気清浄機を買って帰る人がいるんです」というお話だ。思想や考え方は異なっても、消費者としては私たちと重なる部分があるように思い、急に親近感を覚えた。


(続く)


ボルネオ7番のブログ-千葉校友会1

(校友会千葉支部の校友が描かれた油絵。素晴らしい才能に脱帽)