面白かった。一気に読んだ。

 

 
批判も多いが、なぜトランプ前大統領には多くの有権者から絶大な人気と支持があるのか。その背景を池上彰さんや佐藤優さんら6名の方々が解き明かしておられる。
 
6名の方々のお人柄やこだわりも伝わってくるようで、更に興味深く読ませてもらったが、私の印象を端的に述べると、アメリカという一つの国家としての成功モデルが時代の変化に合わなくなり、結果として不満や不安、怒りや憤りを抱いた多くの有権者が生まれてしまい、短期間に楽になれる外科手術か特効薬をトランプ前大統領に期待している、ということかと思う。
 
アメリカだけではなく、かつては奇跡の復興と言われた高度経済成長の成功モデルを誇った日本も時代に合った変化を十分には遂げられず、迷子になってしまった期間が「失われた30年」と呼ばれているように思う。かように、国家も企業も自民党も野党も時代の変化にはなかなか対応できないものなんだと思う。
 
そう考えると、「相手を変えるのは大変だよ。自分を変える方が早くて確実、それに楽だと思うよ」と上司だった方に教えられたことを思い出す。私もついつい変化しないものを見つけては文句を言っているが、文句を言う先を自分にしてみようと思う。

ゆっくり考えてから返事しようと決めたし、それが友人の希望でもあると思っていたのだが、全く考えがまとまらない。そもそも、彼の仕事内容を良く知らないし、勤務先の状況も分からない。知っているのは、彼がナイスガイであること、何度か転職の誘いを受けていたこと、それから、来年70才になることくらいか。



そこで、私だったら、どうして欲しいかを考え、メールで次のように伝えた。


「詳しい事情は分からないが、あなたとの契約を切るとは、何ともったいないことをするんでしょう。あなたが出来上がるまで、どれ程の時間とお金が掛かっているか、会社は計算したんでしょうか。しかも、あなたはまだ現役で打席に立っているんでしょう? 私には理解できない。取急ぎ一筆感想まで。」


直ぐに彼から返事がきた。


「ありがとう。手紙を君に出して良かった。私が言いたいことを代わりに言ってくれたからスッキリした。これからのことは『楽しく』考えるようにする。」


役に立てたようで良かったが、彼が「楽しく」考える、とわざわざ括弧を付けて来たのには何か意味があるのだろう。今度はそれを考えようと思う。

仕事で知り合い、たまたま同い年だと分かって仲良くなった友人から手紙が来た。今どきなんで手紙やねん、と思ったが、内容を読んで彼の意図が分かった。メールなら直ぐにでも返事しなくては、という気持ちになるが、手紙なら少し返事をするまで間があっても許される。友人は、ゆっくり考えてから返事をくれ、と私に望んだのだろう。



手紙の内容は「勤務先から契約の更新はないと言われた」というもので、定年退職後も契約に基づいて働いていた契約先から肩叩きにあったということらしい。

これがメールの連絡だったら、「あのね、僕たち来年70才になるし、同級生の殆どは仕事を止めている。これまで働かせてもらっただけでもラッキーやん」と返信したところだが、友人からすれば、「君だけはそういう返事を寄越すなよ!」という思いを込めて来たのだろう。期待に応え、少し考えてから返事しようと思う。