面白かった。一気に読んだ。
批判も多いが、なぜトランプ前大統領には多くの有権者から絶大な人気と支持があるのか。その背景を池上彰さんや佐藤優さんら6名の方々が解き明かしておられる。
6名の方々のお人柄やこだわりも伝わってくるようで、更に興味深く読ませてもらったが、私の印象を端的に述べると、アメリカという一つの国家としての成功モデルが時代の変化に合わなくなり、結果として不満や不安、怒りや憤りを抱いた多くの有権者が生まれてしまい、短期間に楽になれる外科手術か特効薬をトランプ前大統領に期待している、ということかと思う。
アメリカだけではなく、かつては奇跡の復興と言われた高度経済成長の成功モデルを誇った日本も時代に合った変化を十分には遂げられず、迷子になってしまった期間が「失われた30年」と呼ばれているように思う。かように、国家も企業も自民党も野党も時代の変化にはなかなか対応できないものなんだと思う。
そう考えると、「相手を変えるのは大変だよ。自分を変える方が早くて確実、それに楽だと思うよ」と上司だった方に教えられたことを思い出す。私もついつい変化しないものを見つけては文句を言っているが、文句を言う先を自分にしてみようと思う。