黒スーツの天使 -15ページ目

黒スーツの天使

大好きな黒スーツの天使のお話

  

外の世界は病院の中とは違って縛りがない。

規則もない。

でも優しくもない。

 

 

 

週何度かの通院と毎日の薬の服用をしなくてはいけない。

心はずっと空虚なままで、毎日が虚しかった。

時々意味もなく涙が出てくる。

悲しい感情がどこから来るかも分からない。

 

 

街にある夜の繁華街に足を運ぶようになったのは、

入退院を何度かしていた同じ時期だった。

かといって行きつけのお店もないし、知り合いもいない。

声をかけてくるお店に行くくらいで、常連にはならない。

 

何度か行ったお店で声をかけられても、

バーで声をかけてくるなんて安く見られていると思い誘いに乗ることもなかった。

まず、お酒も強くないから殆ど飲まずにその空間を楽しんでいた。

 

でも楽しかったかといえば、正直そこまで楽しく思えなかったし、

一生懸命に通うほどお目当ての男の子もいなかった。


 

でも何だか魅力的なものは感じていた。

たぶん心に空いた穴を埋めるために、

今までにない世界に浸っていたのかもしれない。

 

 

そんな時、あるバーで一人の女の子と出会った。

その子に言われた。

「面白い店があるよ、イケメンのボーイがいるよ!」

ちょっと興味があるし、行ってみたい!

その頃つるんでいた子も一緒にお勧めのお店に行くことになった。