コロナで足止めされていた娘が、
お婿さんのもとに帰る。
九州の甘口になれている娘は、
味噌や醤油を買って送りたいのだという。
産婦人科で書類にサインももらわなければならないらしい。
県をまたぐとシステムがいろいろ違ってくるらしい。
赤ちゃんを連れてバスや電車に乗せたくなかったので、
私の車を娘たちに使わせて、
私がバスを使う。
新幹線に合わせて駅がリニューアルした。
まだ中に入ったことはないけど、
ガラス張りの素敵な駅だ。
電車を降りるのが少し早すぎたらしい。
でも、
この景色もなかなかいいな。
電車からの乗り継ぎにココウォークで降りると、
スーパーで買い物をしても微妙な待ち時間があって、
スタバで時間を潰すことにした。
生徒さんにもらったスタバカードを使う機会がやっと来た。
スタバで頼む飲み物はいつも決まっている。
でも、あまりゆっくりもしていられないのでアイスにした。
カードに入っている金額を確かめてもらい、
お店の人に勧められるまま抹茶のシフォンケーキを頼む。
席にはたくさん張り紙がしてあって、
いったいどこに座ったらいいのか見当がつかない。
店の人に訊ねると、
どこでも良いのだそうだ。
心の奥で紛らわしいなと思いながら、
とりあえず張り紙の貼ってあるテーブルの一つを選び、
また別の紙の貼ってある椅子には腰掛けずに荷物を置き、
何も貼られていない椅子に腰かける。
マスクを外すとなんだか不思議な気持ちがした。
こうして一人で店に入って珈琲を飲むのは久しぶりだ。
なんだか勝手が違う。
田舎から出てきた都会を知らない娘か世の中の新しい流れに取り残された老人のような気持ちである。
写真を撮ったところで気が付いた。
あ、
マスクを口から外すときはスタバカードと一緒に写そうと思っていたのに、忘れてた。
気もそぞろである。
そうして、
まだ飲んでもいない珈琲をこぼしてしまった。
よく見ると激しく倒してしまったようで窓ガラスまで汚している。
カウンターのお店の人に申し訳ない気持ちで事情を話すと店員さんは気づかなくてすみませんとすぐに駆け寄ってきてくれた。
様子を見るとすぐに『トレーごとお取替えしましょうか』と提案してくれ、
綺麗にカップの底を拭うと今度は『別のテーブルにお掛けになりますか?』と促し、
それから『お作り直しできますよ』と珈琲を淹れ直してくれた。
とても丁寧な応対にちょっと感動した。
人に大切に扱われるというのも久しぶりなんだと思った。
珈琲を持ってくると今度は『シフォンケーキはいかがでしたか?』と声を掛けてくれた。
『しっとりしてとても美味しかったです』と答えると、『それは良かったです。ごゆっくりなさってください。』と笑顔まで見せてくれた。
たったこれだけのことなんだけれど、
買い物の合間のスタバっていいなと思ってしまった。
今度はゆっくり買い物に行こう。
早くマスクのない生活に戻りたいな。
その日は来るのかな?











