今年に入ってから大幅に株価を上昇させた企業が多い中で、「急成長会社」グリーの株価が低迷しています。
昨年の震災直後の990円から11月には2840円まで上昇していた株価が、3月30日には2089円となっています。しかし、依然として高株価であることは間違いなく、同日現在の時価総額が4864億円と「先輩格」のDeNAを完全に上回っており、PBRも8.5倍と依然として割高です(ピークのPBRは15倍程度)。
業績の方は絶好調で、経常利益は2011年6月期の308億円から、2011年12月中間ですでに389億円となり、2012年6月期の予想が800億円となっています。
さて、グリーは言わずと知れたソーシャルゲームの代表企業なのですが、ソーシャルゲームの市場規模は2008年の50億円程度から、2009年にSNSの大手3社(当時の大きい順でMixi, DeNA, グリー)が次々とソフト開発技術をオープン化してから急拡大し、2011年度は2600億円、2012年度3400億円になると予想されています。
その中でもグリーの成長が際立っているのですが、基本無料のはずのゲームですが実際は有料アイテムを買う必要があり、気がつけば多額の請求書が来たり、最近では希少アイテムを複製して換金する会社(RMT・リアルマネートレード)まで出てきています(グリーは3月30日にRMT業者へ出品停止と削除を要請しました)。
まあ、ソーシャルゲームそのものが社会的に有益なものとは言い難く、RMTについては厳密に言えば日本銀行の「通貨発行権」や銀行の「信用創造機能」の侵害となります。さらに厳密に言えば、これは「通貨発行」や「信用創造」のノミ行為で国民経済全体では何の「価値」も創造されていません(つまり有害)。
騒ぎが大きくなっている割に規制や摘発の動きが遅いのは、ソーシャルゲームを直接規制する法律がなく、従って監督する官庁が無いからです。
公正取引委員会から所管が移されたはずの消費者庁は、何故か「規制の対象外」としてしまい、経産省も通販・訪販を規制する特定商品取引法を適応できず、ソーシャルゲームで潤う通信キャリアを抱える総務省も規制にしり込みしています。
つまり日本では「規制する法律や、監督する官庁が無い業態」でなければ成長出来ない(株価が上昇しない)ことが改めて分かるのですが、今のところは、余計な仕事を抱え込みたくないとか、既存の利権を守るためにソーシャルゲームの規制にしり込みをするといった「消極的」な官僚の思惑が先行しています。
もう少し積極的に既存の利権であるパチンコを擁護するためにソーシャルゲームを規制(あるいは摘発)しようとしているのが警察です。パチンコは90年代の年間売上高30兆円から長期低落し今や20兆を割り込んでおり、ホールの廃業が相次いでいます。ソーシャルゲームとパチンコでは利用層が重なるのです。
しかし何といっても、伸び盛りの業界を叩き、規制・監督の受け皿団体をつくらせ、天下り先に取り込む手口はどこの官庁でも同じで、水面下で「利権獲得のための思惑」が始まっています。
いずれにしてもグリー等は、こういった官庁の利権に取り込まれて「普通の会社」になってしまうのか、かつてのライブドアのように潰されてしまうのか、それとも完全に海外に「移住」してしまうのか、いずれにしても株式市場における「絶頂期」は完全に終了したことは間違いないようです。
だから言ったでしょ?
売り線が入っているって。