「ハラハラドキドキ」がいつの間にか「ワクワクドキドキ」
小さな変化を見逃すな
どんなに笛や太鼓が鳴っても好転することのない市場心理は、株価の動向で一気に傾くもの。たとえそれがどんなに偏った解釈から生まれたものであっても市場のベクトルは比較多数の思う方向に向かうものに他ならない。
水曜後場の東証アローズ。日経平均は1万円乗せ。前場はチンタラとした動きだったが、後場の実況は不思議と安心感の漂うもの。
前場に日経平均は9999.99円を示したが、1時半過ぎに話題にしたら再度9999.99円。なぜか「もう見ることが出来ないのではなかろうか」と感じたのは錯覚だろうか。
ただし・・・。ニュースバリューに欠けるのかどうか、節電で暗くなったアローズにTVカメラはゼロ。引け後にテレビ東京のクルーが一人だけやってきたが、所詮マスコミの扱いはそんなもの。相場は時として非情なものであり、時として予期もせぬ微笑返しをしてくれるものだからといっていつまでもその表情が続く訳でもない。
その変化の兆し、小さなささやき、大きなざわめきを見逃さないことが重要になる。とはいえ、目の前を通り過ぎる森羅万象はあまりにも多すぎる。
発表前には誰もが気にする雇用統計を控えたNY市場。水曜日はISM非製造業景況感指数の雇用指数の改善を好感しての上昇。ISM非製造業自体は悪化したことは見えないフリ。木曜日はADP雇用レポートでの非農業部門の伸びが15.7万人と市場予想を6万人上回ったことを材料視。週間新規失業保険申請者数の減少も好感された。
ADPには過去何回も騙されてきた事も忘れて「雇用統計に対する期待感」の声まで出始めた。NYもさほど賢いとは思えない現象ながら、確かに雇用統計にワクワクの印象は醸し出された。
ギリシャやポルトガルはどこへ行ってしまったのか。市場はうまい具合にさまざまの好悪の材料を忘れたり、見なかったりする可変性の産物。
来週は日銀金融政策決定会合があるが、たぶん材料にはならない筈。ギリシャ国債の入札や償還があるが、これも見えないフリ。欧州銀行のストレステストには多少興味を示しそう。逃げの材料は週末の中国の各種経済指標だろうか。
どうせNY連銀製造業景気指数やミシガン大学消費者信頼感指数も都合よく解釈されるに違いない。一度回り始めた歯車を止めるのはなかなか難しいに違いない。シナリオは7月月足陽線としたいところ。
個別ではNEC(6701)の復活感に期待したい。ITバブルの崩壊以降、悪材料続きで何も良いことはなかった銘柄の代表格だが、ここに来て日々材料が出され始めた。例えばリチウムイオン電池を使った家庭用蓄電システムに従来製品の半額レベルでの参入。あるいは電子書籍、映像、音楽などのコンテンツを配信するサービスの開始。市場の期待のカヤの外にいた銘柄が自ら光り始めたような印象。同社が今後生き残れるならこの株価水準では物足りない。
放送用ケーブルや光コネクターのカナレ電気(5819)、復興関連での応用地質(9755)も妙味。有機合成(4531)、日本基礎(1914)などが動兆。新興市場では水の売れ行き絶好調のトーエル(3361)に期待。