[北浜 流一郎先生の株式コラム 02月03日号]
エジプト問題より、米国の雇用情勢次第の動きに。
米国の雇用改善で日本株が上がる。
遠いエジプトは大変なことになっています。チュニジアでの反政府運動がとんでもないところに飛び火したものです。チュニジア、エジプトともに地理的にはわれわれには遠い国です。しかしエジプトとの心理的距離は近いため、早く騒乱状態がおさまって欲しいものですが、正直今後の展開は読めません。
ムバラク大統領は辞任を表明したものの、9月の大統領選挙には立候補しないと表明しただけのこと。反政府の市民たちがそれを受け入れるとは思われず、大統領の即時退陣まではなお曲折が続くのは避けられません。最悪大統領の米国亡命があるかもしれません。
こんな状況だけにエジプト情勢からは当面目を離せませんが、幸い日米市場はエジプト問題より米国の雇用状況に関心を移しつつあります。今週末には毎月の定番となっている米国雇用統計の発表があるからです。
民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した1月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は、実に前月比18万7000人増となっていました。
ですから4日に米労働省が発表する雇用統計も雇用増となるとは限らないのですが、たとえ減少していたとしても市場への影響は軽微ですむでしょう。減少は豪雪によるもので、改善に向かっていることに変わりはない。こんな見方が強くなるだろうからです。
実際米国は豪雪に見舞われ、そのために仕事がなくなったり、職場に行けなくなったりして職を失った人が多いのです。
海外でこんなことがあり、今後についても相変わらず悲観的な見方をしている投資家が多く、証券会社もほとんどが諦めムードになっているのですが、「株価は疑惑の壁をよじのぼる」のです。上がりそうにない。上がるんだろうか。いや、上がらないどころか、下がるんじゃないか。こんな状況、つまり疑念があるところを縫うようにして這い上るのが株になります。
その証拠に、日経平均の1月月足チャートは結局陰線に終わってしまったのに、多くの銘柄が新高値(戻り高値)をつけています。この原稿を書いている3日時点でも東証1部市場で60銘柄が高値をつけました。
それらの中には当欄で取り上げた銘柄も多く、正直いつまで上がり続けるのか。こう思いたくなるほどです。中には高値を承知の上で取り上げ、いくらなんでも高すぎるだろう。こんなご心配+ご批判をいただいた銘柄もあります。
そんな銘柄でさえさらに水準を高めているのです。もちろん全部が全部そうなっているわけではなく、残念ながら見込み違い銘柄もあるのですが、高値更新銘柄が多い事実は、東京市場の基調そのものが強いため。こう見るのが自然です。そしてそれは今後も続きます。
で、注目したい銘柄は、まずはダイハツ(7262 東1 1000株)です。2月1日決算発表がありましたが、2011年3月期について予想を従来通りとし、増額修正しなかったことを理由に売り込まれました。期待外れというわけです。でもトヨタ系企業なのです。安易に予想値を変えるわけがなく、上方修正がなくても当然と見るべきです。株価はここから再起へ。
騰勢の強い銘柄がすべてどんどん上がっているわけではなく、時々小幅に下げます。そんな銘柄の中からウェザーニューズ(4825 東1 100株)です。気象情報で世界一の会社ですが、注目したいのはこの会社の情報をネット経由で購入している会員が160万人もいること。それだけ支持者が多いことになり、株価も大きく凹んでしまうようなことはないと考えてよいでしょう。1800円前後で拾って回復を待つ作戦がお勧めです。
最後は資生堂(4911 東1 100株)です。国内販売が不振とのことから株は大きく売り込まれました。1月31日には業績を下方修正したほどです。この点では深刻な状況にあることが分かります。しかし株価は先を見て動きます。いますぐどんどん上がるようなことはないでしょうが、3日は大きく売り込まれたところで大量の買いも入りました。利が乗るまで少し時間はかかるでしょうが、このあたりで拾っておきたいものです。