[杉村 富生先生の株式コラム 01月17日号]
みずほFGの筆頭株主の座を狙う?中国資本!
日本の株式市場は「極端な!」と形容されるほど、外国人主導のマーケットである。実に、委託売買代金シェアの現物が6割、先物が8割を占めている。従って、彼らが買えば上がる、売れば下がる。単純というか、分かりやすいマーケットである。
その外国人は2008年に3兆7085億円売り越したが、2009年は1兆7775億円、2010年は3兆2105億円の買い越しに転じた。しかし、彼らはまだ、ガンガンの強気ではない。国内投資家と同様に、おっかなビックリの参戦である。それに、2010年の買い越し額には中国人投資家の2兆円が含まれている。
多くの投資家にとって、中国人投資家はなじみの薄い存在だろう。だが、2010年の2兆円の買い越しも大変なことであり、それ以上に個別企業にとっては無視できない状況になりつつある。
たとえば、みずほフィナンシャルグループ(8411 東1 100株)である。第3位の大株主に「SSBT・ODO5・オムニバスアカウントトリーティ」が登場している。このファンドの拠点はオーストラリア・シドニーだが、資金の出し手は中国といわれている。
2010年9月末の保有株式数は3億3249万株、発行株式数の1.5%に当たる。さらに、10月4日に110円の安値をつけたあと、猛烈に買い増しをした形跡がある。また、別の2ファンドを使った買いを続けているとの情報もある。
この結果、現在の持ち株は筆頭株主に迫っているのではないか、との見方が浮上している。これは大変なことである。日本の上場企業の6割がみずほフィナンシャルグループと何らかの関わり合いがある、と指摘されている。
いわば、日本企業の命運が中国系ファンドに握られる恐れがある、という事実が顕在化している。確かに、これは無視できない。ちなみに、2011年の外国人の買い越し額は「10兆円前後に達するだろう」(大手証券)との試算がある。2005年の史上最高の買い越し額10兆3219億円に迫るということか。
これはまた、大変なことである。実は大和証券グループ本社(8601 東1 100株)も外資の買い占めを受けている、このファンドは「ハリス・アソシエイツ」(アメリカ・イリノイ州)である。すでに、発行株式数の10%を買い集めている。このファンド(投信投資顧問の性格を有する)が注目を集めるのは2006年に日興証券(コーディアル)を買い、それをシティグループのTOBにぶつけた経緯があるため。
いや、そもそも、この玉がなかったならばシティグループはTOBに踏み切らなかっただろうし、成功しなかったと思う。もちろん、大和証券グループ本社がそうなる、と決めつけるつもりはないが、単なる純投資ではないことは明白だろう。
外国人がこのところ純投資で買っているのは鬼怒川ゴム工業(5196 東1 1000株)、イーグル工業(6486 東1 1000株)、村田製作所(6981 大証 100株)、日東電工(6988 東1 100株)など。いずれも必要不可欠の部品を供給しているサプライヤー・テクノロジー企業である。
新興国では所得水準の高まりとともに、質に対する欲求が強まっている。そのニーズをくみ取り成長を続けているのが鬼怒川ゴム工業、イーグル工業である。一方、村田製作所、日東電工はスマートフォン、タブレットPCなど高機能商品の登場が追い風になっている。
イノベィティブな新商品が次々に発売されており、この分野では日本企業が圧倒的な国際競争力を有する。外国人はまさに、この点に注目している。