[北浜 流一郎先生の株式コラム 11月11日号]
忍耐は報いられた。
しかし目先はすでに信号黄色。調整を待って出動を。
お互い厳しい状況に耐えた甲斐があったといえるのではないでしょうか。11月に入ってからの東京市場は、まさに様変わりの動きです。それまでの下落一方から急反発、日経平均は11日には9885円の高値がありました。
10月があまりに不調だったために、一気高すると正直戸惑います。これは本当だろうかと疑いたくなりますが、それにしてもこの強さ。どこから来ているのか。円の反落です。先週FOMCで正式に追加の金融緩和が決定、49兆円を投じて国債を購入することを決めたのは一見マイナスに見えます。
しかし、それまで散々市場で話題になっていたため、いわゆるドル安材料出尽くしとなったところへ雇用統計や失業保険申請件数などの改善が続きました。これらはドル高円安要因であり、それがこのところはっきり形になった格好です。
ただ現在のような一気高は、すでに株を所有していた人にとっては大歓迎すべきことながら、新たに投資する人にとっては危険極まりないものとなります。当たり前ですが、高値掴みになる恐れがあるからです。
いま上がっている銘柄は、すでにここで取り上げた銘柄がほとんどです。それらがいま上がっているのであり、ここから追いかけ買いをするのには賛成できません。
たとえばコマツです。驚くほど上がっているのに、いまになってコマツを買いたいがどうだろうかというご質問を受けることがあります。正直、うーん・・とうなる他ありません。
株は上がってくると買う気になるものではあります。しかし儲けるためにはやはりそれではダメです。下げているうちに投資する。これが鉄則であり、現在のように値を飛ばしてしまったら、押し目を待つ。こうした方が安全です。
円の下落も長続きしないでしょう。先行き下がるにしても、目先は反発すると見るのが自然です。当然安いところで買っていた短期投資家の利益確定売りが出てくる可能性が高いからです。
そうなる可能性を示唆する材料の一つに新高値銘柄の減少があります。11日は日経平均株価が続伸したのに、東証1部の新高値銘柄はドクターシーラボ、ナブテスコ、タチエス、富士重工業、ハイデイ日高、コンビ、リンテック、ニフコと8銘柄でした。
その前日は13銘柄あったのです。この点を見ても目先は頭打ち傾向が見えて来ていることになり、一服を待って出動したいものです。
で、注目したいのは、まずは日本ピストンリング(6461 東1 1000株)です。社名になっているピストンリングでシェア3割を占める企業であり、トヨタや日産などの大手に納入しています。
しかし製品が地味なため、株価も地味な動きになっているのですが、いまはようやく市場がその中身に気付きはじめたところ。株価は次第に水準を高めていますが、まだ170円台。目先170円以下への下げがあれば拾っておきたいものです。
このところ反発基調だった三菱地所(8802 東1 1000株)もこの反落局面でシフトしておきたい銘柄のひとつです。日銀が不動産上場投信を購入するといっているのです。それは次第に不動産価格の上昇につながり、不動産主力株にもプラスすると見てよいでしょう。株価は1400円~1450円の範囲で投資出来れば安全度高いといえます。
最後は日本ペイント(4612 東1 1000株)です。この株は高値圏にあるのですが、値動きが小さく、極端な上昇になっていないため取り上げました。
なんの会社か。社名で明らかなように塗料大手で、関西ペイントと市場を2分しています。
現在アジア各国への展開に力をいれていて、特にインドへ注力、すでに収益好調となっており、今後それは加速されることになります。株価は小反落があるかもしれませんが、蘇生は近い。こう見ています。