今回の選挙のテーマは正に「雇用」そして雇用の争奪戦を通した人種問題→白人至上主義のティーパーティー運動、という流れで見て頂くとほぼ理解頂けるのではないでしょうか。
いろいろなジョークがあるのですが、マクドナルドの面接の話。
「残念ながらあなたは不採用です。」
「え、なぜですか? 私は時給3ドルでもいいんです。」
「いいえ、大卒の白人だからそんな仕事に採用する訳にはいきません」
と言うやつですね。
このジョークには様々な含意があります。
まず大卒。
これがネックになってしまい元来付くべき仕事よりもはるかにレベルの低い仕事に付いている人々・・・underemploymentと呼びます・・・がものすごく増えている事実。
こちらのメルマガでも毎度毎度パートタイマーの人数増加を指摘していますよね、これがまさにこの underemployment状態の人々を大量に含んでいるのです。
最新のセンサスではこのunderemployment状態の人が全雇用者(パートタイムも含む)のうちなんと18.6%もいるとされました。
そして前に高学歴の人の失業率の統計を御紹介しましたが、アメリカでは大学卒業をした時点で平均約600万円のローンを持っている、という統計があります。
学費の高いアイビーリーグに限ってみるとなんと15万ドル(1200万円!!)が平均ローン残高だと某大手投資銀行の調査には出ています。
なのに、仕事がない。もちろん1000万円以上のローンですからそれなりの仕事に就かねば返せません。これに住宅取得、子供の新たな学費ローンが積み重なってきてそして失業している・・・というのがアメリカの雇用状況なのです。
こちらのメルマガでは口を酸っぱくして26週間以上失業者数を見ろ、と繰り返し申し上げてきました。
これが本当の失業者、すなわち雇用保険が切れてしまう人々がこの数字に表れる訳です。しかし最近この数字が減り始めましたよね。
これは雇用保険を延長して最長99週間まで伸ばすと言う特例により職探しそのものを諦めた可能性が高いということも申し上げました。
しかし完全に切れる100週目になると最早待ったなしで仕事を探さざるを得ず、次回の雇用統計では微妙ですが、統計局のセンサスではこの100週間以上の失業者という数字が発表される予定になっています。
現段階での推計はおよそ1600万人!!
これだけの人が完全に雇用保険から脱落し、仕事を探す事になります。
この現状をどう思われますか?
そして次に白人の部分。
アメリカで「お前は黒人だから」、とか「イエローだから」といったら人種差別ですぐ訴えられます。
しかし「おまえは白人だから」と言う事は差別にはなりません。
恐ろしい事にこれは差別ではないんですよ!!
私の友人には所謂WASPがたくさんいます。(WASP・・・ White Anglo Saxon Protestant の略)
私は態度の悪い店員とかがいるとすぐに「こら、なにやってんねん!!」と難癖をつける訳ですが、彼らは絶対に文句を言わない。
アメリカでWASPの白人が有色人種の店員にクレームをつけるとほぼすべてのケースで人種の偏見で難癖をつけた、と見られてしまうためです。
初めから勝ち目がないのです。
この「白人」差別は強烈で、お金のある人々はいいですが、中途半端な白人はもう大変です。マイノリティーは何パーセント雇用せねばならないとか、大学もマイノリティーの合格者の割合が厳格に決められている。
就職でも就学でもあらゆる所でマイノリティーが保護されるアメリカでは白人は今や「被差別」される状態にある・・・
そしておれたちが払った税金はちっともおれたちの為には使われず、どうでもいい黒人やマイノリティーに全部使われ挙句の果て
あいつらの健康保険まで面倒みる、というオバマ政権はなんなんだ!!と言う訳です。
この動きが「反有色人種」とも言えるティーパーティー運動の根っこにあることを忘れてはいけません。
つまり今回の選挙ではこの雇用問題とこの「被差別」される白人の反発というのがキーポイントになのです。これを抑えた上で選挙結果をご覧になると確実に今のアメリカの現状が見える筈です。