日本企業は円高の影響でズタズタ・・・・な筈でしたよね?? | ブー子のブログ

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それはやりたくないことだから。

損してもいい、と思ったら、やればいい。
それはやりたいことだから。

日本企業の決算が発表されています。未曽有の好業績であります。

まあ、別にこの会社に限った事ではないので何か一人いじめみたいになってしまいますが、目についたので出しておきます。御丁寧に12月期まで上方修正しているのでまあ、そうだろうな、と。キヤノンです。

既に円高の影響が出ていた9月を入れても営業利益143.9%増!
2007年のいざなみ景気に匹敵する勢いです。

このように実に明解、ハッキリしている訳です。
日本の輸出企業の業績は円高になろうとあまり関係がありません。
旺盛なアジアなどの成長を背景に彼らが消費を増やせば否応なく日本製品を買うので日本の輸出企業は大黒字、彼らの成長が止まると(リーマンショックの直後がそうでした)ピンチになる、それだけのことです。

ノキアやサムソン、或いはハイアールといったローテク機械製品と既に競争をしていない日本企業が円高だ、円高だ、と悲鳴を上げる筈がない。そう騒いでいるのは新聞とそれにあわせた彼らのポーズだということを再認識されるのではないでしょうか。

このキヤノンの他にも、もう書くのがばかばかしいのですが、パナソニック純利益747億円! 
であるとか、ホンダが純利益を6.6倍にしているとか、もういい加減にしろ、というくらいの好業績です。

円高で日本経済がだめになると書いた新聞記者は全員死刑!!(笑)
それよりもこれだけの好業績を並べられてじっと手を見る・・・おれたちの給料はどないなってんねん・・・と言う方がむしろ大事でありまして、なぜ上がらないのか?? アエラにも書き始めましたが様々な角度から今後とも解明、解決していきましょう。(そう、処方箋はあるのですから)

【記事抜粋】
[東京 27日 ロイター] キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)は27日、2010年12月期(訂正)の連結営業利益(米国会計基準)予想を前年比79.7%増の3900億円に上方修正すると発表した。
従来予想の3600億円の黒字に比べ、8.3%の上方修正となる。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト11人の予測平均値3944億円と同水準になっている。
2010年1―9月の連結営業利益は前年同期比143.9%増の3047億円になった。
通期予想に対する進捗率は78.1%。前年同期の通期実績に対する割合は27.6%だった。

では日本全体ではどうなっているのかダメ押しで・・・

平成22年度上半期貿易統計 前期比83%増の3兆4152億円の黒字産経新聞 10月25日(月)9時15分配信
財務省が25日発表した平成22年度上半期(4~9月)の貿易統計速報は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が、前期比83%増の3兆4152億円の黒字になった。自動車、鉄鋼などの輸出が増加し、対前年比25%増になった
一方、輸入は原油や液化天然ガスなどの輸入が増え、20.8%の増加となった。
半期ベースの黒字は3期連続。

上半期の貿易統計は、7月に中国向け輸出額が戦後初めて米国向け輸出額を上回り、最大の輸出先になった。米国の景気低迷で対米輸出が減少したことが要因だ。また、8月には、こうした米欧輸出の低迷の一方、原油など原材料価格の高騰で輸入額が膨らみ、貿易収支は3240億円の赤字を記録。正月休みで輸出
が減る特殊要因がある1月を除くと、単月の赤字は82年11月以来、約26年ぶりになった。
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ここにもはっきり書いてありますが8月は単月で貿易黒字がなくなっています。
つまり輸入物価の高騰がしばしば瞬間風速で黒字を吹き飛ばす事があるのです。
しかし、これが円高効果で相殺され(円高にならないと大変なことになります)
輸出企業の輸出はアジアの成長市場により需要は無尽蔵ですから日本企業は円高によって儲かりまくっている、という構造がよくお分かりになるのではないでしょうか。

因みに貿易輸出は実際には5兆円もプラスになっていて、これまでの数字と合わせると今年は年間60-70兆円の輸出レベルに戻ることになり、正にリーマンショック直前の水準に近いところまでカムバックすることになります。
これでも政府が対策を打って輸出を伸ばさなければいけない・・・と菅政権が主張するのであれば、この人たちは我々の想像以上にあほな人々だ、ということになります。

まさに円高の影響で倒れこむ・・・のではなく、アジアの成長国による需要こそが日本企業(日本経済ではありません)の業績を左右するという証拠です。
さらに一つ例を出しておきます。

ダイハツという軽自動車メーカーに至っては2011年3月期決算を倍!!の820億円上方修正してきました(元々は430億円)。
円高で一番ダメージを受ける筈の付加価値の相対的に低い、金額の安い、「輸出軽自動車」の来年度利益をこの1ドル70円になろうかとしているこの時期に倍にする・・・
円高が如何に何も関係していないか、明らかではないですか??

そして結局円高により我々の「なけなしの」給与所得である円がすさまじい価値を発揮し、再びエルメス、ルイヴィトンを通じてフランスに流れ、先進国で唯一日本に対して貿易黒字になっているのがフランスだ、というまあ、ふつーに考えて頂く結論通りなのですが、こういう話ができる経済学者はまずいませんね。
だから間違えるのです(笑)
そして日本にこそ新たなエルメス、ルイヴィトンを作りましょうね、と言うのが我々の主張なのです。金持ちになった中国や韓国が黙っていても買ってくれる今の状況をもっと強化しましょう、ということになりますね。

【補足】
1995年、円の最高値、79円75銭を記録した年。
当時と今の決定的な違いはなんでしょうか。

当時は日本経済バブル崩壊で海外に出て行った、ありとあらゆる投資を引き揚げた事が円高の原因だと言われたものです。もっともらしい理由ですが、それは金融だけを見ているとそう思うのであって、製造業にしてみれば85年のプラザ合意で海外展開はマストでしたから必ずしもそうは言えません。

よく出す例ですが、このバブルの頃、80年台後半は野村証券とトヨタ自動車の経常利益はほぼ同じレベルでした(金融機関では経常利益とは呼ばないのですが便宜上使います)。

バブル崩壊で海外展開を全部閉じて日本に籠った野村証券と、円高を嫌ってさらなる海外展開を続けたトヨタ自動車。

2000年を超えてトヨタは2兆円の経常利益を叩き出す企業に成長しますが、野村証券はバブル前の5000億円でさえ稼げない会社になってしまいました。
円高を教訓に海外に出て行った企業と国内にとどまった企業の差がもろに出た訳です。

そして再び円の最高値が近付いてきたのですが、当時との大きな違いは一般的なイメージとは大きく異なり日本企業(特に製造業)の業績が当時とは比べ物にならないくらい実は良くなっている、ということです。くどくど申し上げますが、当時に無かった最大のファクター・・・アジアと言う新興国による高級な(高級な・・・ですよ)日本製品に対するニーズが大量にあり、多少の円高による価格転嫁は不可能ではなくなっているために・・・先のダイハツやコマツのように営業利益をどんどん積み上げていく・・・という構図ですから、今回の円高は前回よりはるかに進む可能性が高く、一方でダメージは考えにくい。

世界中が日本製品を買う訳ですから日本円に対するニーズは高まる一方ですね。

それから1日400兆円あると言われる為替市場で未だに日経新聞では取り上げられる所謂ヘッジファンドですが、実際彼らは壊滅状態です。これは今度詳しく説明しますが要するに彼らに融資をする金融機関が皆無なのです。

昔ですと100億円の「種銭」を持っているHFに900億融資する(レバレッジ10倍)金融機関がいくらでもあったので、100億円しかもっていない奴が1000億円をもってマーケットに出てくる訳です。実際はレバレッジ50倍なんてHFがあり、貸す方も貸す方だと思いますが、リーマンショックでそのお金を一斉
に引き上げたために大多数のHFは倒産してしまいました。

ですから為替取引でのHFの存在感はありようがないのです。カウンターパーティーとしてもクレジットが怪しすぎて担保なしでの取引は不可能でしょう。
もちろん種銭の100億円はまだ持っている可能性がありますがその規模は何十分の一、つまり先物などの取引を含めて考えてみても存在感は比べ物にならないくらい小さくなっています。

全米中探してもHFにファイナンスをしている銀行は皆無です。あったら紹介して欲しい位です(笑)。

ということで市場構造そのものが当時とは変わってしまっているということによく注意をしてください。HFによる投資、といのは今となっては絵空事です。
(ただし例えばPIMCOなどの大手のファンドはもちろん健在で一般的にはミューチュアルファンドの会社と思われていますが、即日で解約できないものはすべてヘッジファンドに分類されるのがアメリカのルールです。
例えアメリカ国債に100%投資していても1カ月前の解約通知を義務付けているファンドは、レバレッジがかかっていなくても「ヘッジファンド」に分類されますので金額ベースで減ってない、という反論は論外です。
私がここで取り上げているヘッジファンドは所謂レバレッジがかかったもの、という意味ですのでよく御注意を。)