「ギリシャ悲劇」の幕は降りず。しかし市場の関心は企業業績に。
東京市場だけでなく、世界の株式市場は長々と「ギリシャ悲劇」と付き合わされてしまっています。幕が上がってもう数カ月になるのに、まだ終わらないのです。そのため東京市場の騰勢は著しく低下、なかなか蘇生しません。さすがに13日は日経平均株価が226円高となったものの、ほとんどの投資家は冷め切っていて、これで回復に向かうとは思わないでしょう。
正直なところ私も、本格回復にはほど遠いと見ています。ギリシャ問題は根が深く、簡単には終わらないからです。EU連合とIMFが3年間で総額90兆円もの資金枠を設定し、ギリシャをはじめ、南欧諸国に危機的状況が訪れたら支援することを公約していますので、一難は去ったといえます。
しかし、ギリシャ支援の条件が気になります。国が財政再建を断行出来なければ、IMFの支援は打ち切られることになっているのです。財政再建が条件なのです。
それを阻むものがあります。国民、特に公務員の強烈な反対であり、いまもストを繰り返しています。そのため政府が財政再建を断行出来ないとなると、IMFは「勝手にしろ」と支援から手を引きます。ここはギリシャ国民があまりストなどしないで財政再建に協力する姿勢に転じて欲しいものです。
でないとギリシャは本当にデフォルト(返済不能)に陥り、それは必ずポルトガル、スペイン、さらにイタリアにまで波及しかねません。この点でギリシャ国民が財政再建策に協力するかどうか。しなければまたまた市場は混乱に陥る。こうなるでしょう。
ただ、目先は前述したようにEUやIMFの支援を取り付けたため、一つの壁を超えたといえます。そのため米国市場は当面ギリシャ問題よりも自国経済と企業の収益動向に関心を移すでしょう。
たまたま東京市場では今週末の14日(金)に、3月期決算発表のピークを迎えます。否応なく企業業績に目が向く状況になっているため、このところ売り込まれた銘柄で、収益の好転向上が予想される主力銘柄を中心に買い戻されるでしょう。
それにしても東京市場が調整に入った場合、高値から大体10%下げたところで止まりますが、1月半ばから2月初めにかけての下落局面同様、今回もそうなりました。
今後も同じになるとは言い切れないものの、チャートを見て高値から10%ほど下げたら、そろそろ底打ちするだろうと見てよいといえます。
さて、こんな状況下、注目したいのは、まずはソニー(6758 東1 100株)です。13日同社は11年3月期の連結業績を発表しましたが、損益が3期ぶりに500億円の黒字に転換するとのことでした。テレビ、ゲーム機、携帯電話の各部門が好調に推移しそうだというのです。
それを知り株価は13日に125円高となりましたが、目先は戻り売りが出やすく、少し下げるでしょう。そこで拾っておきたいものです。14日も続伸するようなら目先は買い手控えが懸命です。
半導体関連株として順調に水準を上げていた新光電気工業株(6967 東1 100株)も魅力的です。4月30日に1691円の高値をつけたあと1500円を割り込むところまで下げましたが、いまは少し戻ったところです。
主力製品である半導体用ICパッケージやリードフレームはインテル向け需要好調であり、株価は回復力強いと見ています。
そして最後はTDK(6762 東1 100株)を。HDD用磁気ヘッドやコンデンサーなど主力電子部品の需要好調が続き、収益回復はほぼ確定的。株価は4月7日に6590円の高値をつけたあと下落続きでしたが、ようやく見直し方向となってきました。ここでのシフトが有利です。
