丹沢、静かな山稜と忘れられた山の神を訪ねる山散歩 | 写真小話

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私が撮影しながら散歩した備忘録的な記録

2023.04.14

春の静かな山をポコポコ歩きたいなーとコースを考える。

そういえば、丹沢の雨山峠から西のちょっとした山って歩いたこと無かったなー

檜岳とかいったっけ、「ひのきだけ」じゃなくて「ひのきだっか」というんだって、あっそう。

その檜岳を寄から雨山峠を経由して登って、また寄に戻ってもつまらないので、大昔に通ろうと思って敗退した山神峠を通って玄倉へ降りるコースに決定。

新松田駅からバスに乗って寄へ。

八重桜だけどまだ咲いていました、うれしいねぇ。

寄から暫く、まーっすぐな車道を歩く。

うーん山の新緑がとても綺麗です。

やどりぎ橋を過ぎると車止めが登場します。

この奥で登山届を出してさらに進む。

こういう林道によくみられる有名企業によるエコ植林、こういうのって大体荒地に戻っていたりするけど、ここのはまぁまぁ上手くいっているみたい。

やがて林道は山道になり寄沢を渡りながら登っていく。

沢が結構広いので、渡った先で登山道を拾うのが分かりにくかったりするので注意が必要な道。

明るいうちは良いけど、暗くなると赤布とか見えないからね、黄色い指導標がとても目立って助かるけど抜いちゃう不届き者がいるらしい。

不届き者とは関係ないけど、この道、数年前に雨山峠越えしてユーシンの沢登りに来た時、下山する時に雨山峠を越え戻るあたりで真っ暗になっちゃったことがあったなー、でも行くときに注意していたので、普通に戻ってこれたけど。

山道は沢の渡渉を繰り返して登ってゆきます。

季節柄ミツバツツジがそこかしこで咲いています。

ミツバツツジ見ると、あぁ丹沢だなぁと思います。

大きなドウダンツツジとミツバツツジが競い咲いています。

春だねぇ。

所々、木橋やら、こんな階段やらがぶっ壊れてます。

そのうちこの道も廃道になっちゃうかも…

この雨山峠への道って玄倉林道ができる前は西丹沢に行くための重要な通路になっていた峠道。

やがて玄倉へ道ができると、そっちから登るようになって、次第に廃れていったのだけど割と歴史のある登山道です。

もっと昔は山村の重要な交通路だったろうし…

そんなこんなで雨山峠到着。

ここからは、ユーシン方面へは通っているけど、檜岳へ向かうのは初めてです。

苔むしてミツバツツジ咲く山道を登る。

良い感じ…

ひとしきり登ると雨山あたりで稜線が広くなる。

う~ん、林相がとても良い…

なんか癒されます。

山が崩れている所は眺めが良いです。

ちょっと霞んでるけど良い眺め。

檜岳はこんな山だけど、1000m越えているので、まだ桜が咲いています。

丹沢、箱根、伊豆には豆桜が多く咲いています。

派手さはないけど、やっぱ良いよね。

檜岳を越えたあたりの気持ちの良い稜線で昼めしにします。

山で昼めしなんて、かつては食わなかったけど、もうそんなんじゃないし、こんな山散歩のときはのんびり湯でも沸かしてカップ麺でも喰いたい気分です。

しかも最強どん兵衛だぜぇ。

ダイソーの固形燃料で湯を沸かしたら、時間かかっちゃって大分のんびりになっちゃった。

檜岳を下って1177mのピークあたりで登山道を離れて北へ延びる尾根に入る。

林業用の軌道が通ってました。

ちょっと開けた所から丹沢湖が見えました、玄倉川圏内に入った感じ…

富士ちゃんがうっすら見えてます。

やがて尾根が広くなり北よりに進路をとります。

そして。

山神峠が見えました。

実に40年越しの山神峠です。

山を始めたばっかりの中学生の頃この山神峠を通って塔ノ岳へ登ろうとしたのだけど、玄倉からこの峠へ向かう途中に道をロストし、いくら探しても道が見つからなかった。

後の私なら強引に進んで難なく到着しただろうけど、その時はそんな技量もなくて道をだいぶ探しているうちに時間切れとなり敗退しました。

それから、特にこの峠を気に掛ける事もなくなって大場所とは岩登りとかに興じていたけど、いつかジジイになったら行く事もあるかなぁと思っておりました。

そしてジジイになったので、やって来ました。

ここに至る山道は廃道チックになって大分経つけど標識なんかしっかりしています。

峠の風景、往時が偲ばれます。

この峠の部分のみ道がしっかりしていて、今にも誰か通りかかりそうな感じ。

タイススリップして荷物を背負った行商の人なんかが通りそうな雰囲気。

もちろん誰も通りません、この峠から玄倉側へちょっと進むとすぐに道が無くなります。

そして、いよいよここの山の神を…

あーあ、祠がぶっ壊れちゃってるよ。

ここは山の神と水の神が一緒に祀ってあり珍しい。

40年前の自分が敗退した頃も祠がぶっ壊れていて、リニューアルしたばっかりだった様で、その時敗退しないで見ることができらた綺麗な姿が見れたかもね。

でも40年の歳月で再び朽ちてしまったけど、今度は新しくならないだろうね。

雨山峠の登山道と同じく、滅んでいくしかないのだろうか…

 

だがしかし、この峠を渡る風がすこぶる心地よい、なんか来て良かったなぁ~

昔の自分の思いが少し昇華したみたいだ。

 

山の神の裏手より急登を登り、954mのピークへ。

そこから西へ延びる緩やかな稜線を少し下ると廃林道へ出る。

後はこの廃林道を下るだけだけど、この林道、下の方で大きく崩れています。

今は細い踏み跡とトラロープで崩れた個所を渡れますが、いずれ渡れなくなるでしょう。

崩壊は大きいので上にも下にも巻けない感じです。

その時は、林道下り始めに近い915mの小ピークから北を回り込んで西へ降りている尾根を歩いて標高640mあたりで廃林道へ入るのが良いかと思います。

まぁ、そんなこんなで玄倉林道へ無事降り立ち、玄倉バス停へ。

玄倉林道の車止め、ちなみに玄倉林道は人も通行止めです。

もう何年も通行止めのまんま。

なので、雨山峠越えしてユーシン入りするのです。

でも熊木沢ダムまでは、管理の都合で人と車は通れるとは思いますが、ユーシンまでは行けないようです。

玄倉バス停へ砂利運搬のダンプが巻き上げる砂埃にムセながら歩けば玄倉が見えてきます。

丹沢湖のバックウォーターが見えてきました。

そこから間もなくでバス停到着で、バスに乗って居眠りこきながら帰りました。

おしまい