調べ物のついでに発掘された、漫画雑誌スクラップの山。
「宮本から君へ」を整理してもまだまだである。
ということで、次は田中政志の「ゴン」を紹介する。
この作品は、「週刊モーニング」に1992年から連載が始まった作品で連載終了後も、「週刊モーニング」と「月刊アフタヌーン」で不定期掲載されていた。
「週刊モーニング」の表紙に何度も掲載されているが、一番良かったのは1994年1月6日号で下記の単行本の表紙にも採用されている。
単行本は全7巻。
どんな作品かというと、表紙に描かれている恐竜が主人公のゴンで、大自然の中を旅しながら、他の動物たちと圧倒的なパワーで戯れるという内容である。
これはもう見た方が早いので、下記のWebコミックサイト「モアイ」の試し読みページと、その後のアニメ作品の予告編を参照されたい。
これは作品は他にもいろいろと変わったところのある作品なので、この際まとめておくことにした。
まず、リアリティーのある画調ではあるが擬獣化作品なので、自然の動物世界を描いている訳ではない点に注意が必要である。
つまり、絵にリアリティーがあっても内容は完全にフィクションである。
この擬獣化のなんたる上手さだろうか。
そして、セリフがない。
擬獣化なので動物が喋ってもおかしくはないのだが、ゴンも動物達も一言も喋らない。
全てを動きと表情で語る。
そして、圧倒的なパワーでゴンと動物達が動き回る躍動感。
凄い画力だ。
しかし、画力だけでは作品は面白くはならない。
この作品には動きと表情と躍動を面白くするアイデアが詰まっている。
そしてなんと、世界的に発売されている。
海外でも高い評価を受け漫画賞を受賞。
その後のアニメ作品も海外でも放送された。
これはもうホントに、
漫画の素晴らしさを感じる作品である。
画力である!
躍動感である!
アイデアである!
という言葉に尽きる。
▼アニメ作品のDVDはこちら (各巻2話収録)
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