映画「マッドマックス 怒りのデスロード」の録画を観た。
「マッドマックス」と言えば一昔前に、近未来の荒廃した世界を描いたシリーズ映画として名を馳せた作品である。
1979年~1985年の間に、監督ジョージ・ミラー、主演メル・ギブソンのコンビで以下の三作品が製作されている。
▼「マッドマックス」(1979年)
▼「マッドマックス2」(1981年)
▼「マッドマックス/サンダードーム」(1985年)
これらの作品も観てはいるはずなのだが、もう記憶にはない……
そして、この2015年製作の「マッドマックス 怒りのデスロード」までに30年の月日が流れた……
ということで、この記事ではこのまま過去には触れず本作品の話に進んでいきたい。
30年後の2015年製作の「マッドマックス 怒りのデスロード」は、映画界でもアカデミー賞6冠という高い評価を受けている。
アカデミー賞6冠の内訳は、美術賞、衣裳デザイン賞、編集賞、録音賞、音響編集賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞であり、監督・俳優よりも作品の製作関連が評価されたことがわかる。
監督はジョージ・ミラーのままだが主演は「ダークナイト ライジング」「インセプション」のトム・ハーディ。
話の舞台は引き続き、資源が枯渇し法も秩序も崩壊した近未来世界である。
荒涼とした岩と砂漠の世界は幾つのかの軍団によって支配されていた。
荒野をさまようマックスは砂漠を支配するイモータン・ジョーの軍団に捕らえられるが、女戦士フュリオサの脱走の企てに巻き込まれ、協力して戦うことになる。
作品の標準的な解説はいつも通り、公式サイトと「映画.com の特集サイト」を参照されたい。
▼公式サイト
▼映画.com の特集サイト
---以下、ネタばれありの感想---
テレビ放送の番組冒頭でも、舞台は「恐怖と暴力に支配された近未来」と紹介される。
イモータン・ジョー軍団のリーダーのあり様は新興宗教の教祖そのものであり、独特の様式美が生み出されているところは、近代都市が崩壊したあとの人間の描き方として実に納得感があった。
岩壁に彫られたイモータン・ジョー軍団のリーダーの顔のマークは、ぺトラ遺跡の神殿が思い出された。
ぺトラ遺跡は「インディ・ジョーンズ」作品のロケ地としても有名で、現在では中東ヨルダンの世界遺産である。
この遺跡が滅んだ大きな要因の一つは周囲の砂漠化であると言われている。
イモータン・ジョー軍団の追跡を振り切ったマックスとフュリオサ達はフュリオサの故郷にたどり着くが、この土地も既に砂漠化していてかつての緑はもうなかった。
あるのは160日分のガソリンと植物の種だった。
フュリオサ達は逃げてきた西とは反対の東方面に向かおうとするが、東方面には海水の干上がった塩の大地が見えるばかりである。
塩の大地では植物は育たない。
マックスはこのまま160日かけて走っても塩の続いているだけだとフュリオサ達に言う。
まるで人類の未来のことを言っているかのようだった。
生き残る道はイモータン・ジョー軍団の土地に僅かに残されている自然の恵みにすがる以外になかった。
そして再び戦いがはじまる。
映像はアクションシーンの迫力もの美術もアカデミー賞をとるだけはあるなぁという内容だった。
イモータン・ジョー達の軍隊を倒して生還したフュリオサは軍団の新しいリーダーとして迎えられる。
岩壁に彫られたイモータン・ジョー軍団のリーダーの顔マークの下からは大量の水が放出された。
カタルシスのあるエンディングだ。
そして「約束の地はあるのか?」という問いかけで終わる。
自然を破壊し尽して進む人類に約束の地が見つかることは永遠になく、自然と共存する人類には何処であっても約束の地となると歴史は物語ってるが、果たして、あの土地の水が尽きるのが早いか、それとも森林が回復するのが早いかは映画の内容からは読み取れなかった。
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