NHK「バークレー白熱教室~大統領を目指す君のためのサイエンス~」リチャード・ムラー | 日々是本日

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 久しぶりのNHK「白熱教室」の記事である。

 

 NHK「白熱教室」は、著名な教授の一般公開授業を録画して放送するという番組で、今回紹介する「バークレー白熱教室~大統領を目指す君のためのサイエンス~」は物理学者リチャード・ムラー教授の5回シリーズである。

 

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※動画については例によって某有名動画サイトを参照されたい。

 

 各回は50分程度の講義で、タイトルは下記の通りである。

 

  第1回 エネルギー 君なら何を選ぶ?
  第2回 クリーンエネルギーを検証する
  第3回 地球温暖化をどう防ぐ
  第4回 大統領を目指す君のためのサイエンス原子力を知る
  第5回 エネルギーの未来 大統領に提言せよ

 

 基本的には今のエネルギー問題をどうしたら解決することができそうかという内容である。

 

 各回別でもそれぞれに見所がある。

 

 「第1回  エネルギー 君なら何を選ぶ?」と「第2回 クリーンエネルギーを検証する」は、今日のエネルギー問題と代替エネルギー/クリーンエネルギーの解説としてわかりやすい内容になっている。

 

 特に第2回で、各々の代替エネルギー/クリーンエネルギーについて設置費や維持費を考えていくところは、自宅に何かの設備を購入する時の話とそっくりで、エネルギー問題をもなかなか一筋縄ではいかないものだと思わされる。

 

 また、エネルギー節約についての考察も良い内容だった。

 

 「第3回 地球温暖化をどう防ぐ」は地球温暖化を統計的に検証するという内容であるが、データサイエンスの仕事として実に素晴らしく、統計アナリストやデータサイエンティストは必見である。

 

 「第4回 大統領を目指す君のためのサイエンス原子力を知る」も原子力および放射能の解説としてわかりやすい。

 

 「第5回 エネルギーの未来 大統領に提言せよ」は、大統領を想定した30秒のエレベータートークとなっている。

 

 大統領とエレベーターで乗り合わせて30秒話すという設定で、教授と即興のやり取りが行われる。

 

 4回の講義を観た後では、何を話すべきか実に考えさせられる。

 

 そして最後のまとめであるが、ここで語られる科学との関わり方についての話が実に素晴らしかったので、これを紹介して終わりたいと思う。

 

 科学者でない人は、信頼できる人を見つけてその人の言うことを信じてしまいがちだが、具体的な数字がわかれば自分で判断することは可能である。

 また、科学というのはみんなが客観的になって同意することのできる土俵であり、個人的信条は、この科学という土俵の上に持ち込めばいいと言う。

 しかしながら、

 

 「個人的信条を持ち込まないことは科学者でさえ難しい。」

 

と教授自身も自戒を込めて話していたのが印象的だった。

 

 

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NHK for School「バークレー白熱教室~大統領を目指す君のためのサイエンス~」