ところで、前の記事の糸井重里・村上春樹「夢で会いましょう」には、「ヤクルト・スワローズ詩集」からの引用が幾つか出てくる。
誰の詩集かは書いていない。
スワローズファンの村上春樹本人なのだろうか?
調べてみたら、ヤクルトスワローズの公式サイトで村上春樹は名誉会員だった。
そしてメッセージ第2回が「ヤクルト・スワローズ詩集」だった。
昔、自費出版したが300部も売れなかったと本人が書いている。
「夢で逢いましょう」に引用した作品は個人的なお気に入り作品なのではないだろうか、という勝手な想像に基づいて以下に紹介しておく。
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「オイル・サーディン」p37
おい審判、
お前の目はどこについているんだ、
俺は昨日いわしの缶詰を食ったけど、
お前よりはずっとマシだったぞ
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「スクイズ」p102
「サードベースとホームベースのあいだに」
と試合後に大杉選手は語った。
「北回帰線のようなものがあって、
それが、
僕の足を止めたんです」
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「チャーリー・マニエル」p123
チャーリー・マニエルは
地雷原のまんなかに落ちてきた手榴弾を取るように
ライト・
フライを取った。
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「ビール」p164
「松岡がホームランを打たれたのは、
僕のせいではありません」
とその不幸な
ビール売りの少年は言った。
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「ヤクルト・スワローズ」p210
僕は時々、ヤクルト・スワローズを応援するために、もう地球を半周もしてしまったような気がするのだ。
ほら、耳を澄ましてごらん。
裏庭でペンギンが鳴いているじゃないか。
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※ページ番号は「夢で逢いましょう」からの引用ページ
ホントに好きだったんだねぇ。
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