100分de名著 「平家物語」(2019年5月) | 日々是本日

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【公式】100分de名著:87 「平家物語」

※「100分de名著」は各回 25分×4週 = 100分 で毎月一冊の名著を紹介するNHKの番組である。

 

2019年5月の100分de名著は「平家物語」だった。

 

言わずと知れた日本の古典である。

 

古典中の古典である。

 

 

平家物語と言えば、2012年のNHK大河ドラマは「平清盛」だった。

 

 

その後では、かわぐちかいじの漫画が五年間も連載されていた。

 

▼初刊は2013年5月発売

 

▼最終巻は2018年5月発売

 

文庫で読むとすると、このあたりになるだろうか。

 

 

さて、この番組の「平家物語」の解説としての魅力は何だっただろうかと振り返ってみる。

 

まずは何と言っても、能楽師である安田登さんの琵琶演奏付き朗読だろう。

 

昔の日本語で語られる朗読は格調高い。

 

※公式ページ第1回の項に「祇園精舎の鐘の音」で始まる有名な冒頭の朗読映像あり

 

そして内容の解説であるがその中心は、主な登場人物がいかに驕り、いかに戒められるかにある。

 

こんなにも人の驕りを戒めている物語なのである。

 

「平家物語」は、己の驕りを戒めたい時に読むべき名著なのかもしれない。

 

「平家物語」の最後は灌頂巻であり、ここで壇ノ浦の戦いの後に出家した建礼門院は、庵を訪れた後白河院に一族の栄枯盛衰を物語る。

 

安田登さんの解説によれば、この語りを聴くことは後白河院による平家の鎮魂であり、これによってもっとも鎮魂されているのは、平家一族の背後に常に存在し続けた後白河院自身であるという。

 

ここに発見があった。

 

貴族政治が終わりを告げ、武家社会となっていく時代である。

 

後白河院もまた鎮魂されねばならなかったのだ。

 

各回のタイトルは以下の通りである。

 

 第1回 光と闇の物語

 第2回 驕れる者久しからず
 第3回 衰亡の方程式
 第4回 死者が語るもの

 

▼NHKオンデマンド 特選ライブラリー(単品 108円)

100分de名著 平家物語