アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第58話 意地悪な蛇
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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ジャータカという仏教に古くから伝わる話である。
---あらすじ---
意地悪で凶暴な蛇が村はずれの森に住んでいた。
歳をとり自分のしてきたことを振り返った蛇は、
丘の上に住む聖なる蛇の寺に行ってみることにした。
群衆の端で説法を聴いた蛇は改心し、
今までの意地悪を聖なる蛇に告白して、
もう意地悪はしないことを誓って帰ってきた。
村人にそのことを伝えることはできなかったが、
近くを通っても噛まないことがわかると、
村人は少しずつ近づいてくるようになった。
ある日のこと、村の子どもが蛇をからかいにやって来て、
棒で叩き始めた。
意地悪をやめた蛇は為す術なく退散した。
現実には身を守る術が必要だと痛感した蛇は、
聖なる蛇の所へ行って文句を言った。
聖なる蛇はこう答えた。
「噛むなとは言ったが、脅かすなとは言わなかったはずだ。」
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実に現実的な話である。
他の話でも度々語られるように自分自身のことを忘れてはならないのだ。
マインドフルな心は、己を保つ。