「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」 第50話 人生のアドバイス | 日々是本日

日々是本日

bookudakoji の本ブログ

アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」

第50話 人生のアドバイス

 

 

シドニー出身の若い男性がアジャン・チャーを訪れた時の話である。

 

---あらすじ---

その若者は、偉大な師であるアジャン・チャーに会うためだけに

タイにやってきた。

アジャン・チャーの寺に着いたが、

アジャン・チャーは群衆に囲まれていて、

その若者には気づきもしないように見えた。

群衆の端に座って待ち続けたが、

アジャン・チャーに会うことはできなかった若者は、

帰るまでにはまだ時間があったので、

寺の掃除をしている僧侶を手伝うことにした。

気が付くとアジャン・チャーが後ろにいた。

アジャン・チャーは実はその若者のに気づいていたのだが、

なかなかこれなかったのである。

そしてこう言った。

「もし掃き掃除をするなら、それに全てを込めてやりなさい」

----------

 

「第40話 これにもやがて終わりがくる」では、

辛い時間を耐える時だけでなく、

楽しい時間は楽しさを噛み締めるという在り方が語られた。

 

「第47話 絶体絶命の状況でお茶にする」では、

何もしないという知恵が語られた。

 

これらは別の言い方をすれば、

「それに全てを込めてやる」ことだとも言える。

 

著者は、これは「何もやっていない時には、何もしないことに全力を傾ける」(p104)ことでもあると言う。

 

何かしていないと落ち着かないようでは、

何もしないことに全力を傾けることは一生ないだろう。

 

現代人は気をつけたいものである。

 

マインドフルな心は、何もしない時には全力で何もしない。