アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第12話 心の扉を開くということ
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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これは盗賊に襲われた僧侶グループの話である。
---あらすじ---
7人の僧侶グループが洞窟で修業をしていた。
ある日、盗賊に襲われ洞窟を追い出されただけでなく、
見せしめに殺す人間を一人差し出せと言われた。
僧侶グループのメンバーは、
リーダーの僧侶、
リーダーの弟の僧侶、
親友の僧侶、
敵対していた僧侶、
高齢の僧侶、
死期の迫っている僧侶、
落ちこぼれの僧侶、
の7人であった。
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こうした話は、表向きは簡単な心理テストに似ているところがある。
「あなたなら誰を選びますか?」という設定で、
敵対していた僧侶を選ぶと、攻撃性が高いという解釈がついていたりする。
説話での意味合いは全く異なるのであるが、
やはり、自分だったら誰を選ぶかを考えてから、
先を読んだ方が良い。
※
※
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考
え
る
時
間
※
※
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さて、リーダーの僧侶は誰を選んだか。
リーダーの僧侶は誰も選ばなかった。
著者はこのこと意味を次のように説明している。
リーダーの僧侶の心は誰にも同じように開かれていた。
とすれば自分を選ぶという選択となるように思われるが、
それでは自分自身が抜け落ちている。
自分の心は、最も私の身近にいる自分自身にも開かれており、
それが自分自身を愛することだという。
これはまた、自分自身を許し罪悪感の刑務所から解き放つことでもあるという。
マインドフルな心は、自分自身にも心の扉を開くだろう。