この項のタイトルは「自分が一切である」となっている。
自分の「根」は今まで触れたすべてからできており、
「根」とはその人自身の一切であると言う。
篠田さんは、自分の根がつくり出すかたちや線を、
見えるように表現したいと思ったそうである。
これは、自分の根というものは自分では直接には、
見えないということではないだろうかと思う。
「養分を吸収して
支えるのは、
自分という根っこ。」(p102)
まとめはこうなっている。
ここだけ読めば、
だからいい養分を吸収して根っこを作るのが大切である、
とも受け取れる。
タイトルが「自分が一切である」となっていることをもう一度考えてみる。
一切が自分なのである。
自分の根っこを見て、あまりに貧弱だったらだったら困るじゃないですか。
自分の「根」がどんなだかわからなのに、
その上に立っているのは不安ではないですか。
だから勇気を持って、敢えて自分の根を見たいのだと思う。