日本の言葉の由来を愛おしむ 四章 ○○こごち | 日々是本日

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「ここち」は「心持ち」が縮まった語とも言われているそう。

人の行為を表す動詞と結びついて、

「○○ごこち」という複合語となる。

著者は特に、「衣」と「食」に関する動詞との結びつきに注目している。

それは例えば「着ごこち」、「住みごこち」という言葉であり、

心と体と環境は不可分のものという洞察が含まれていると言う。

 

確かに、「着ごこち」という時の意味は、

着るという行為を媒介として、

心と衣服が一体化している時の「心地」(感じ)である。

 

この生物個体と環境を不可分のものとする見方は、

科学においては、近年の心理学において、

ようやくエコロジカル・アプローチ/生態学的アプローチとして

提唱されてきたものである。

 

古くから自然に、この洞察を言葉に含めてきた日本人の感性には脱帽である。