ブックスタマ社長の自腹読書日記

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『らんたん』 柚木麻子

『BUTTER』が面白かったので

 

柚木麻子さんの他の作品を読んでみたくなって読みました。

 

 

日本の女性教育の礎を築き、恵泉女学園を設立した河合道さんと

 

その同志、渡辺ゆりさんが主人公です。

 

なんとなく手に取った本でしたが、

 

読んでみて、柚木さんの本気度が感じられる作品でした。

 

 

まず700ページという分量と、巻末に記された大量な参考文献の数々。

 

柚木さんが恵泉出身なので、いい加減なことを描いたら

 

OGから袋叩きに合うというプレッシャーがあるのかも知れませんが

 

母校の創設者を主人公にして小説を書くことに対しての、

 

著者の意気込みが感じられます。

 

そして、歴史上有名な人が次々と登場するのも

 

この小説の魅力のひとつです。

 

河井道さんの師である津田梅子や新渡戸稲造が登場するのは

 

もちろんのこと、有島武郎、平塚雷鳥、徳富蘆花に、

 

朝ドラの主人公になった広岡浅子、村岡花子、小泉八雲など。

 

他にもいろいろ出てきますが、果てはジョン・ロックフェラーまで

 

登場します。

 

フィクションとはっきりうたっているので、すべてが事実ではないと

 

思いますが、ノンフィクション並みの調査をして、

 

事実をくまなく調べ上げたうえでフィクションを構築する、

 

著者の緻密さと、すごみのようなものを感じました。

 

あらためて感じるのは、明治時代の日本人が

 

飛行機も国際電話もない時代に、

 

今以上に国際的に活躍していることです。

 

河井道さんもしかりですが、新渡戸稲造など、

 

わかりやすく言えば、大谷翔平級に

 

アメリカ社会で影響力がある人がゴロゴロいて、

 

昔の日本人は優秀だったなと思いますが、

 

そんな人たちがいたにも関わらず

 

対米戦争を避けることができなかったということに

 

深い絶望も感じます。

 

戦争の時代も女子教育の灯を絶やすまいと

 

時には政府への協力もいとわず

 

奮闘する河井道と渡辺ゆり。

 

その努力が巡り巡って、国際的に支持される作家が誕生したことは

 

大きな希望でもあります。

 

 

 

 

プリンセスの魔法のレシピ

シンデレラや白雪姫、ヘンゼルとグレーテルなどの

 

アンティークな絵本に登場するお菓子を

 

再現したレシピの本です。

 

私が子供のころは子供向けの世界文学全集があって、

 

アンデルセンやグリム童話には本を通して出会ったものでしたが

 

今の子供たちはディズニー映画の影響が強すぎて

 

アンティークな絵本は、むしろ新鮮に映るかも知れません。

 

白雪姫の毒リンゴや、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家の

 

レシピも掲載されています。

 

著者は世界有数のシンデレラの研究家で、

 

そのコレクションはギネスブックにも名前がのるほどの方です。

 

著者のコレクションである絵本の挿絵や雑貨の数々を

 

1冊にまとめたこの本は、貴重な資料であり、

 

お得な1冊といえると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

『女二人のニューギニア』有吉佐和子

有吉佐和子がニューギニアに行った紀行文が

 

河出文庫から復刊されました。

 

1960年代のニューギニアの奥地で

 

道も満足に通ってないようなところに

 

持ち前の好奇心から旧友の文化人類学者の誘いに乗って

 

飛び込んでしまって、生きるか死ぬかの経験をされたようですが

 

60年近くたった今となっては

 

まだ文明の影響が及んでいないニューギニアの様子が分かる

 

貴重な資料になっています。

 

現地に住むネイティブは昔ながらの生活をしていて、

 

敵部族を20数人殺したとか、

 

女一人を野豚3頭と交換したとか、

 

刺激的な話がたくさん出てきます。

 

有吉佐和子さんの文章力は圧巻で、

 

いま読んでも面白さは変わりません。

 

挿絵も当時のまま使っていて、すてきです。

 

 

 

 

 

 

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