戦争とデザイン
第一次世界大戦からウクライナ戦争まで、
戦争の中でどうデザインが使われてきたか
グラフィックデザイナーの松田行正氏が
戦争とデザインの歴史を考察する本です。
戦意を高揚したり、戦争の正当性を訴えたり
兵士を募集したり、さまざまな場面で
デザインが使われています。
ロシアや中国、そしてイギリスにアメリカ
もちろん日本も含めて、
国家が戦争のためにデザインを使うのは、
国の東西やイデオロギーを問いません。
専制君主がいなくなって戦争が民主化してから
デザインが戦争に果たす役割は大きくなったように
思います。
隋の煬帝
中国史オタクを自認していますが、
宮崎市定さんの本は初めて読みます。
渋谷の古書店で見つけて衝動買いしました。
京都大学名誉教授という固めの肩書ですが、
歴史の本としては人物に焦点を当てているので
読みやすいです。
隋の文帝と煬帝の二代の皇帝を取り上げ、
隋の滅亡はとかく煬帝ひとりの悪逆ぶりのせいに
されがちですが、初代皇帝である文帝にも
欠点が多々あったことが描かれています。
隋という国号が、もともとの国名の随という字から、
走ることを想起させるしんにゅうがついているのは縁起が悪いと、
しんにゅうを取り払って新しい字を作った、という説は
面白く思いました。しかしそれも確実な出典がないと
書いてあって、歴史上の面白いエピソードは、
たいてい後世の創作だなと、改めて感じました。
