ブックスタマ社長の自腹読書日記 -2ページ目

シン・関ケ原

最近思うのは、

 

面白い歴史というのはすべてウソだということ。

 

本当の歴史は、地味で意外性もなく、

 

英雄など存在しないものだと。

 

この本を読んで、さらにその思いが強くなりました。

 

山岡荘八の『徳川家康』や、司馬遼太郎の『関ヶ原』に出てきた、

 

大谷吉継や島津義弘の面白いエピソードは

 

すべて事実ではなかったことが、この本を読むとわかります。

 

あまり書くとみなさんの夢を奪ってしまうので、

 

気になる方はご自分で読んでください。

 

 

面白い歴史や、面白い陰謀論などは、

 

すべてウソだと疑ってかかるのが、

 

ダマされない秘訣だと思います。

 

 

 

 

夜明けの唄

こんなBLがあったんだ!という作品です。

 

村を守るために化け物と戦う宿命を持った戦士と

 

その戦士を慕う少年。

 

壮大で悲壮な世界観と、

 

それを暗く見せない絵のバランスがよいです。

 

 

 

 

 

 

『らんたん』 柚木麻子

『BUTTER』が面白かったので

 

柚木麻子さんの他の作品を読んでみたくなって読みました。

 

 

日本の女性教育の礎を築き、恵泉女学園を設立した河合道さんと

 

その同志、渡辺ゆりさんが主人公です。

 

なんとなく手に取った本でしたが、

 

読んでみて、柚木さんの本気度が感じられる作品でした。

 

 

まず700ページという分量と、巻末に記された大量な参考文献の数々。

 

柚木さんが恵泉出身なので、いい加減なことを描いたら

 

OGから袋叩きに合うというプレッシャーがあるのかも知れませんが

 

母校の創設者を主人公にして小説を書くことに対しての、

 

著者の意気込みが感じられます。

 

そして、歴史上有名な人が次々と登場するのも

 

この小説の魅力のひとつです。

 

河井道さんの師である津田梅子や新渡戸稲造が登場するのは

 

もちろんのこと、有島武郎、平塚雷鳥、徳富蘆花に、

 

朝ドラの主人公になった広岡浅子、村岡花子、小泉八雲など。

 

他にもいろいろ出てきますが、果てはジョン・ロックフェラーまで

 

登場します。

 

フィクションとはっきりうたっているので、すべてが事実ではないと

 

思いますが、ノンフィクション並みの調査をして、

 

事実をくまなく調べ上げたうえでフィクションを構築する、

 

著者の緻密さと、すごみのようなものを感じました。

 

あらためて感じるのは、明治時代の日本人が

 

飛行機も国際電話もない時代に、

 

今以上に国際的に活躍していることです。

 

河井道さんもしかりですが、新渡戸稲造など、

 

わかりやすく言えば、大谷翔平級に

 

アメリカ社会で影響力がある人がゴロゴロいて、

 

昔の日本人は優秀だったなと思いますが、

 

そんな人たちがいたにも関わらず

 

対米戦争を避けることができなかったということに

 

深い絶望も感じます。

 

戦争の時代も女子教育の灯を絶やすまいと

 

時には政府への協力もいとわず

 

奮闘する河井道と渡辺ゆり。

 

その努力が巡り巡って、国際的に支持される作家が誕生したことは

 

大きな希望でもあります。