黄色い家  川上未映子 | 感想メモ

感想メモ

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川上未映子 読売新聞朝刊小説 2022

 

STORY:

花はかつて一緒に暮らしていた黄美子が犯罪を犯したというニュースを知り、かつて黄美子と過ごした日々を振り返る。

 

感想:

 読売新聞朝刊小説。439回で終わったので、1年以上連載していたのかな?

 

 面白くて毎日楽しみだったので、終わってしまって残念…。

 

 ストーリーは、花が回想する形で始まる。だから、読み終わってから、もう一度最初の方を読みたくなった。朝刊小説だとそういうことができないのがもどかしいのだが…。

 

 育児放棄に近い母と暮らしていた花は、色々なことが重なって、家を出て、黄美子と暮らすことになる。

 

 年齢を偽って、黄美子とともにスナック「檸檬」で働き始める。同世代の蘭や桃子とも仲良くなり、毎日の生活を楽しめていたのだが、檸檬が火事でなくなってしまってから、花の試練が始まる…。

 

 3人のためにお金を稼がなくてはならず、カード詐欺の道へ。そして、お金を貯めていくのだが、悪いことをして貯めたお金で、もう一度店をやり直すことなどできるはずもなく…。

 

 結構壮絶なお話だった。カード詐欺の様子とか、そんなだったのか…なんて思ったりもした。

 

 花は悪いことができるタイプでもなかったはずなのに、段々悪いことに手を染めてしまった。でも、これも親がやはりきちんとした子育てをできなかったことに原因があるのかな。

 

 もともとは高校時代にファミレスでがんばってバイトをしてお金を貯めることに生きがいを見出していたはずの花。お金を盗まれてしまって、そこから人が変わってしまうんだよね。

 

 それもこれも、母の男関係なんだけど。

 

 家に大金を置いておかず、銀行の口座を作るとかそういうのをしたらよかったんだと思うけど、やっぱりこれも親にそういう考えがないから、子供にもそういうのがいかないということで…。

 

 まっとうな道を進まなくなった花は、最後にお金を盗んだ相手と偶然会うんだけれど、その相手に「あまりにも(花が)変わっているからわからなかった」みたいなことを言われるシーンがあって…。

 

 きっと悪いことをして、人相とかもやっぱり普通じゃなくなってしまったのかな?とも思ったりした…。

 

 親の育て方とか、環境とかで人って変わるのかなって思った。こういう人を救う何かがあったらいいのにね…。