海と真珠  梅田みか | 感想メモ

感想メモ

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梅田みか ハルキ文庫 2012

 

STORY:

舞が通うバレエスクールに理佳子が転入してくる。置かれた環境などすべて正反対だけれど、背格好がそっくりな二人は発表会で海と真珠を踊ることに。

 

感想:

 バレエが好きで詳しい人やバレエを習っている人が読むと、とても面白いのではないかと思った。

 

 バレエスクールに転入してきたのはコンクール受賞歴もたくさんある理佳子。裕福な家に生まれた理佳子はお金の苦労はしたことがなく、私立の学校に通っていた。しかし、父は理佳子のバレエには理解がなく、医者にしたいと思っている。理佳子の母は理佳子に愛情を注いでいるが、冷え切った家庭環境。

 

 一方、舞は母が父と離婚し、カメラマンの母が女手一つで育てており、経済的には裕福ではない。そのため、せっかくの大役の海と真珠がきても、発表会に出すお金が捻出できないからと舞をがっかりさせたり。もちろん学校も公立だし、母が毎回バレエ教室に見学しに来たり、発表会のときの付き添いに来たりということもないような家ではある。ただし、母と娘は友達みたいな感覚もあり、家庭の雰囲気は悪くない。

 

 そんな二人が同じ背格好というだけで、海と真珠を踊ることになる。海と真珠は双子のような感じでないと踊らせることがないという作品。バレエの技量も環境も違う二人が気持ちを通い合わせなくては、うまくは踊れないのだ。

 

 最初はうまくいかないが、それぞれに相手のことを思ったりするようになり、二人は踊りにのめりこんでいくが…。

 

 バレエのことだけでなく、ちょっとした恋愛模様も交えてあったりするが、これは特になくてもいいような感じもしたかな。まあ、若い読者にはこういうのもあったほうがいいのかな?

 

 ということで、面白く読むことができたので、バレエ好きにはオススメ。