「断捨離（だんしゃり）」本が売れているように相変わらず、片づけブームは続いている。本著は“こんまり”の愛称で知られる片づけのカリスマが初めて書いた。昨年１２月に発売され、もうすぐ１年になろうとしているのに、依然売れ続けている。トーハンの週間ベストセラー（１２日調べ）で、「単行本・ビジネス本」「総合」ともにトップの売り上げ。オリコン週間“本”ランキング（１７～２３日集計）でもトップに。１０月上旬までの刷り部数は１００万部を突破した。まだまだ勢いがある。
著者は片づけコンサルタントを名乗り、「乙女の整理収納レッスン」を主宰。片づけの極意を披露している。清楚（せいそ）でチャーミングな女性で、テレビ出演、講演、セミナーなどでもひっぱりだこ。中学生のときに片づけに目覚めた。大学の卒論も「ジェンダーの視点からみた片づけ」。片づけは趣味で天職だともいう。
単なるノウハウ本ではなく、著者の片づけに対する思いが込められている。以前インタビューした際、片づけで選ぶものは「捨てるモノではなく、残すモノ」だと語っていた。本著にも書かれているが、残すモノの基準は「心がときめくかどうか」だという。
編集を担当したサンマーク出版編集部の高橋朋宏編集長（４７）は、「あくまで直感ですが当初から売れると思っていました。捨てるモノではなく、残すモノに焦点を当てているのが新鮮だった」と打ち明ける。編集者の勘が当たったわけだが、片づけの本にもかかわらず「人生がときめく」というネーミングも意外で引きつけられる。読者は３０、４０代の女性が中心で、８割は女性だという。
ときめくモノを残す片づけ。片づけでときめくモノを見つければ、それも苦ではなく楽しくなるに違いない。
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