【書評】『ビブリア古書堂の事件手帖２』三上延（えん）著

『ビブリア古書堂の事件手帖２　～栞子（しおりこ）さんと謎めく日常～』

　■美貌の店主が博識で謎解き

　古書にまつわる謎を、美貌の古書店主が解いていくビブリオミステリが本書になります。

　鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古書店「ビブリア古書堂」。その店主は意外なことに若く美しい女性です。店を構えているのに、彼女は極度の人見知り。初対面の人とはまともに口もきけないほどですが、古書のことになると人が変わります。その博識で本について延々と語り続けてしまうことも。

　そんな彼女だからなのか、ビブリア古書堂には変わり者の客、いわくつきの古書が集まってきます。

　人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある。その言葉のとおり、本に秘められた持ち主の想（おも）い、そして秘密を、彼女は卓越した古書の知識で明らかにしていくのです。

著者の三上氏は古書店での勤務経験もあり、描かれる古書業界の独特な世界は非常に興味深いものです。登場する一風変わった本の解説も、本が好きな方ならきっとそそられるはず。

　鎌倉という古都を舞台とした趣のある空気感、そして古書の世界の奥深さが本好きな方々の支持を集めたようです。発売以来版を重ね、すでにシリーズ累計４５万部のベストセラーとなっております。

　発売したばかりの第２巻でも、その世界観、古書にまつわる興味深い蘊蓄（うんちく）は健在です。午後のお茶を片手に、ゆったりとした気分でお楽しみいただける内容になっております。第１巻、２巻ともに、お手に取っていただければ幸いです。

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

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ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)

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