称賛と失望-第29回NHKマイルCと第19回ヴィクトリアマイル | 吉岡の戯言

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第29回NHKマイルカップは、ジャンタルマンタルが正攻法で完勝しましたが、レースの焦点は、道中で内にいたルメール騎手のアスコリピチェーノとの攻防の1点に尽き、川田騎手の称賛してもし切れない謙虚な技量に、ただただ脱帽するしかありませんでした。ルメール騎手は、直線入り口の不利な形勢の挽回で過怠金の制裁を科せられましたが、連対を確保したことで、1番人気馬の最低限の役割を全うしました。第19回ヴィクトリアマイルでも、直線で似たようなせめぎ合いがありましたが、マスクトディーヴァとドゥアイズとの事象を、NHKマイルカップと同等に扱うことはできません。11番人気の伏兵ドゥアイズの本来の仕事は、少しでも上の着順を目指すために、馬の能力を最大限に発揮させることであり、1番人気のマスクトディーヴァの進路に蓋をすることではないからです。この攻防で、モレイラ騎手は戒告を受けていますが、私の目には、被害馬と加害馬が入れ換わっただけに過ぎず、失望でしかありませんでした。