デアリングタクトとシーザリオ | 吉岡の戯言

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下記は、デアリングタクトの勝ったオークスの時に私が書いた観戦記です。

 

『オークスは、デアリングタクトが63年ぶりの偉業を、57年ミスオンワード以来の無敗の牝馬二冠を成し遂げました。輸送減りがなく、落ち着いて周回していたパドックの姿を見て安心したものの、馬場入り後のテンションの高さから、勝負の行方はゲートと折り合いの2点に絞られました。枠順から見て、10番手の内が、ミヤマザクラのポジションが欲しいとイメージしていたので、1列後ろで少し行きたがっていたのは、序盤の攻防におけるピンチでした。

 

 

超高速馬場で向正面のペースダウンを考慮すると、中盤は前残りの結末が脳裏をよぎりましたが、4角で馬群が密集し始めた時には、エピファネイアの母シーザリオのオークスの光景が蘇ってきました。4角12番手から上がり600m最速で差し切ったシーザリオと同様に、デアリングタクトもまた13番手から最速で突き抜けました。若き日の横山典騎手はメジロライアンに、和田竜騎手はテイエムオペラオーに、名馬に育ててもらった時代があったように、松山騎手も同じ道を歩んでいるはずです。』

 

 

今でも、この見解に変わりはありません。

 

むしろ、デアリングタクトの本質を血統表から読み取る時に、父エピファネイアの母シーザリオを彷彿とする気持ちが一段と強くなってきました。

 

 

桜花賞で見せた追い込みとオークスで披露した瞬発力は、まるでシーザリオのレースに近いものだという思いが大きくなってきたのです。

 

 

デアリングタクトは父似でも母似でも、祖母似でもなく、父の母シーザリオそのものだという結論に辿り着くと、配合論云々からかけ離れたところにある至高の存在のようにも思われます。秋華賞の結論は、そこから自ずと導かれます。