天皇賞回顧(ゴールドシップは何故敗れたのか) | 競馬ブック CPU泣き笑い 

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 単勝オッズ1.3倍と圧倒的一番人気となったゴールドシップ。その人気を裏切る形となる5着に敗れ去りました。今回の回顧はそのゴールドシップの敗因は何であったのかを探ることにします。


その敗因はゴールドシップ自身だけの問題ではなく、他の馬が以前より力を付けた、今回好走等の理由も考えられると思います。しかしこのレース前までに示してきた彼の圧倒的なパフォーマンスを考えると、やはり敗因の主はゴールドシップ自身にあると考えるのが妥当です。その今までに示してきた世界に通じると私自身も感心させられたゴールドシップの今回の敗因を考え(考えると言っても、申し訳ありませんが私の偏見と独断です)、ゴールドシップの新たな認識(見方)を私自身持ちたいと思います。共鳴される方もおられるのではと思い、このブログに書くことにしました。


以前と何か違うことが起こった場合は、いつでもそれ以前にその予兆が必ずあります。このゴールドシップに関しては、まず出遅れです。今回(天皇賞)の前走、前々走でも出遅れていました。またこの馬どうもダッシュがつかない。スタート後スピードがのらない、そのような馬でありました。しかしそれを補うに余りある中盤から後半にかけてのロングスパートの素晴らしさで、圧勝してきていました。今回(天皇賞)はこの辺りが以前より悪い状況であったのではないかとまず仮説します。


今回と同じ京都の長距離競走でありゴールドシップが快勝した3000芝の菊花賞とのレースラップ、通過タイムタイムの比較で敗因の要因を探りたいと思います。

今回天皇賞のレースラップ()の中はスタートよりの距離

13.0(200)-11.9(400)-11.6(600)-11.4(800)-11.5(1000)-11.6(1200)-11.7(1400)-12.5(1600)-12.1(1800)-12.4(2000)-12.5(2200)-12.8(2400)-12.9(2600)-11.9(2800)-11.8(3000)-12.6(3200)


天皇賞レース通過タイム()の中はスタートよりの距離

36.5(600)-47.9(800)-59.4(1000)-1.11.0(1200)-1.22.7(1400)-1.35.2(1600)-1.47.3(1800)-1.59.7(2000)-2.12.2(2200)-2.35.0(2400)-2.37.9(2600)-2.49.8(2800)-3.01.6(3000)


同じ形式で菊花賞

レースラップ

13.0(200)-11.9(400)-12.2(600)-12.2(800)-11.6(1000)-11.6(1200)-12.6(1400)-12.5(1600)-12.3(1800)-12.2(2000)-12.5(2200)-12.2(2400)-12.2(2400)-11.9(2600)-11.8(2800)-12.4(3000)

通過タイム

37.1(600)-49.3(800)-1.00.9(1000)-1.12.5(1200)-1.25.1(1400)-1.37.6(1600)-1.49.9(1800)-2.02.1(2000)-2.14.6(2200)-2.26.8(2400)-2.38.7(2600)-2.50.5(2800)


これはレースラップ及びレース通過タイムです。即ち通過ハロン(その距離)での先頭の馬です。両レースとも2週目の4コーナー手前までは逃げた馬が道中先頭でした。(一度も2番手以降になっていない)なのでそこまでは逃げた馬のハロンタイム、通過タイムとなります。ゴールドシップのハロンタイムではありません。しかしレースのペースはこの逃げた馬のペースに左右されるものです。両レースを比較すると1600㍍通過時点タイムが天皇賞が1.35.2で菊花賞が1.37.6です。2.4秒今回の天皇賞が速いです。また3000㍍の走破距離で比較すると菊花賞が3.02.9(勝ちタイム)、今回の天皇賞が3.01.6(通過タイム)となり今回が1.3秒速いです。単純に今回の天皇賞レースラップは前半1400までは菊花賞と比べても異常に速く、後半はその反動で非常に過かっています。特に1600から2600までは超のつくスローペースです。この部分に京都の坂(上り、下り)があります。レースラップの今回の特徴は前半1400までは超ハイペース。中盤の1600から2600までは逆に超スローペースで、最後の上がりも過かっています(48.3-36.1)。このレースの中でゴールドシップのラップはどうであったのか、自身のラップは残念ながらわかりません。わかるのは前半3Fと後半3Fのタイムです。今回の前後半3Fタイムは(39.9-37.0)です。菊花賞では(38.6-35.9)です。レースのペース(前半)は今回の方が2.4秒速いにもかかわらず、自身のペースは3F(600)比較で1.3秒遅いです。この高速馬場でまったく前半走れていません。何故走ることが出来なかったか。この前半をそこそこのペースで走れていれば、レース中盤は超スローペースであったので、もっと楽に前に行けたと思います。結論から言ってアマリにも前半が遅く(スピードのらず)ペースが落ち着いた中盤でもその前半の鈍足を補うことが出来ませんでした。では何故それほどまでに前半タイムを要したのか。この原因を見つければ、それが今回の最大敗因理由になると思います。鞍上の内田博騎手は前半(一週目)はゆっくりしているように見えました。しかし中盤以降は、これではどうにもならないと考え追っつけ、追っつけて前に行こうとしていました。しかしその手ごたえはいつも以上に一杯一杯に見えました。鞍上も菊花賞と同じようなレースを進めようとしていたこは、見ていても読み取れました。前半なぜ異常に遅かったのか、そのことが解れば解決です。


一つは前出の出遅れです。今回も出遅れました。これが原因と考えることです。しかし前走の阪神大賞典も出遅れ、前々走の有馬記念も出遅れです。では何が違うのかです。前走、前々走では出遅れてもタイム(前半3F)が39.2、38.4と今回よりタイムが速いです。(今回は39.9)これは私の仮説ですが、この出遅れとこの馬自身の走法特質の複合が原因と考えることです。この馬は完歩の大きい、車で言えば後輪駆動といえる後脚のケリの強さが特徴です。後肢のケリの強さで前肢が大きく前へ行き完歩が大きくなり、その繰り返しで後半長く脚を使うのが特徴です。しかしこの京都3200芝のスタート時点からの3ハロンは平坦、続いて急な上り、やや上り、そして頂上となり、やや急な下りとなります。菊3000はやや上りからのスタートです。前出のように後脚のケリの強さがこの馬の特徴です。後ろに重心があると、その後肢の力を地面に無駄なく伝えることが出来ます。(後輪駆動タイプ)。しかしその重心移動がスムーズにいかないと推進力があまり出ません。この平坦、上り、下りでは、その重心移動が巧く行かないのでしょう。最初上りの菊3000では重心は自ずと後ろです。これは好都合だと思います。


私なりの仮説による結論ですが、出遅れとスタートコース形態とこの馬の走法が今回の敗因です。一応このように結論付けました。


それでは皆さん   GOOD  LUCK  (TY)