坂木司「アンと青春」
アンと青春 坂木 司 光文社 2016-03-17 Amazonで詳しく見る |
デパートの和菓子屋でバイトする杏子のシリーズ、第二弾。
さくさく読めてとても読みやすいのだけど、日常の謎系ミステリというよりか、杏子の恋愛未満人間模様物語になっていて、ミステリを期待して読むとズッコケる(まぁ、そんあ読者はいないかもだが)。
今回、びっくりしたのは作中に東日本大震災の影響が出て来たこと。ほんわか和菓子ミステリかと思いきや、けっこうシリアスな話が続き、いかに杏子が癒し系でもこれでは読んでいてしんどい。
完璧乙女だった立花さんも人間らしさを見せまくりで、いったいこの人たちはどうなってしまうのか…気になるような、ならないような。少し予想と違った内容で、複雑な読後感だった。
p.s.装丁、見返しの特殊紙が「玉しき」の朱ですごく可愛い。こういった豪華さは、単行本ならではだなぁ。
第一弾の感想はこちら。