子を産むためだけに存在する〈侍女〉。名前も家族も過去の生活も奪われた彼女たちに道はあるのかーーー
◇侍女の物語◇ -The Handmaid's Tale-
マーガレット・アトウッド 斎藤英治 訳
ギレアデ共和国の侍女オブフレッド。彼女の役目はただひとつ、配属先の邸宅の主である司令官の子を産むことだ。しかし彼女は夫と幼い娘と暮らしていた時代、仕事や財産を持っていた昔を忘れることができない。監視と処刑の恐怖に怯えながら逃亡の道を探る彼女の生活に、ある日希望の光がさしこむが……。自由を奪われた近未来社会でもがく人々を描く、カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。
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「侍女の物語」です(・∀・)
本当ならこの前に詳細なあらすじを入れるのですが、今回作品のあらすじをなぞる以上に説明できないと判断して入れませんでした。
というかもしかして今後も入れない方がネタバレとか無くていい……? どうしよう?
閑話休題。
SFのジャンルの1つ、ディストピア。もはや現実はディストピアSFを超えそうですが←、ディストピアSFの中に社会における女性抑圧、男女格差を描いた「フェミニスト・ディストピア」なる新しいジャンルが出来つつあります。自分も同じ女性だし、自分も自分なりにディストピア小説を書いて遂に先日応募した身の上ですから非常に気になります。続けては厳しいですが定期的に調べて読んでいくつもりです。
第1作はその元祖とも言える「侍女の物語」。聖書の教えを第一に、女性たちを「妊娠できる」「妊娠できない」で区別され、生かさず殺さずの最低限で生かしては「司令官」の子どもを生む為だけに存在する、という女性を産む道具としか見ていないものすごーく屈辱的な独裁政権下の近未来で生きる女性たちの話……の筈なのに現在の話? と思った私は心が麻痺しているのか……いや、あーんなことやこーんなことが言えちゃうやれちゃう人たちとその環境がクソ過ぎるんだな。
生むだけに生かされている「侍女」オブフレッドの生活。「侍女」のトレード色は赤ですが、本来生命の色であるはずの赤が血の色、それも「妊娠した」なら出ない月経の血を思い出させて初めて赤に嫌悪感。ギレアデ政権の見せしめ政策が残虐の一方、どこかで「現実的にどこかの国ではあり得る」と思ってしまうことの恐ろしさ。オブフレッドが「物語」を書かざるを得ない心の虚しさも……
出版されたのは1990年。あれから30年が経って女性を取り巻く環境は良くなったと言えるか? 世界全体を変えるには微々たる、では駄目なのだ。
「侍女の物語」には続編があります。衝撃のラストの後、ギレアデは、女性たちはどうなったのか。文庫化を待たずに読みたい感あります。
「侍女の物語」でした(・∀・)/
久しぶりに外へ出たQ。そこで出会ったのは……(*^o^*)/