レイ・ブラッドベリ No.31◇さよなら僕の夏◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

夏が終わってしまうーーー大人になりたくない! 少年たちの一夏の抵抗の行方は……

 

 

 

 

 

◇さよなら僕の夏◇ -Farewell Summer-

レイ・ブラッドベリ 北山克彦 訳

 

 

おかえり、ダグラス――。永遠の名作『たんぽぽのお酒』で描かれた、あの夏の日がよみがえる。あたらしい物語は一年後、夏の終わりにはじまる。子どもたちを支配する老人たちとの戦い、時計塔の爆破、はじめての異性への感情……。人生との和解を学びはじめた少年の心の揺らぎをあざやかに描いた、名手ブラッドベリによる少年文学の最高傑作。 

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

イリノイ州グリーンタウンに住むダグラス・スポールティング少年は「夏の終わり」つまり少年時代の終焉を阻止すべく弟のトム、親友のチャーリーたちと共に老人たちへ戦争を仕掛けた。チェスの駒を盗み、時間を盗む「時計塔」を爆破したり……しかしおじいちゃんの仲介もあり、どれも未遂で終わる。でも……

 

 

ある日、意地悪な老人の代表格クォーターメインじいさんから孫の誕生日会に呼ばれたダグラス。何かがおかしい、と思いながらも結局行くがそこでダグラスとクォーターメインじいさんに思わぬ心境の変化が……なんと2人はお互いにお互いを認め赦しあったのだ……

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

「さよなら僕の夏」です(・∀・)

「たんぽぽのお酒」から1年。大人になる少し前の子どもたちのささやか……いや洒落にならない思春期抗議運動です。いや、本当に洒落にならない。あらすじに書いてあることはマジです、そのままです。もはや警察行き確実なのにおじいちゃんの諭しだけで放免しちゃうのは時代なのか……何はともあれおじいちゃんすごい。

 

 

でもダグラスの気持ちはよく分かります。自分にも大人になりたくない、というか時間をそのまま止めてしまいたい、大人からの指図を受けたくない、と足掻いたことがありました。反抗期で荒れなかったのはひとえに親が干渉してこなかったのと、ダグラス少年のように友達がいたからです。ありがとう友よ。不思議とそれに折り合いがついたんですよね。それが大人になる、じゃない世界と和解するということか。確かに何かを失ったわけではない。

 

 

一方大人の代表(にしては歳を取りすぎな)クォーターメインじいさん、まんまスクルージじいさんじゃん?と思いましたがまさにその通りだった……31章の友達ブリーク話し悟るところは感動します。大人になると大人の気持ちがよく分かるな……

 

 

子どもの頃に戻りたいとは1ミリも思いませんが、懐かしくなりました。そう思うこと自体、夏の終わりを知った、ということですが……

 

 

「さよなら僕の夏」でした(・∀・)/

たまにはデンマーク以外の北欧にも行くのですよ(*^o^*)/