中野商店て働く人、そこで扱う品物、流れる日常はどこか変で、優しくてーーー………
◇古道具中野商店◇
川上弘美
東京近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち……。不器用でスケール小さく、けれど懐の深い人々と、なつかしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋と世代をこえた友情を描く傑作長編。
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「古道具中野商店」です(・∀・)
そこで働く「わたし」とその商店の関係者のどこか浮世離れした日常話です。友情というには淡々とし、恋愛に関しては臆病過ぎて、全ての意味で曖昧で。ダメ男な中野さんと良い女風のマサヨさん、むっつりとした、恋人未満なタケオ。その他個性的、というには淡いけど浮世離れした人たちがチープな←古道具を通して「絡み合ってきます」。少なくともこんな人たちは現実世界にはいない。古道具中野商店はありそうだけど、こんな人たちに会うことはないだろう。故に終盤が唐突に現実味が出てきて夢から覚めた感、あります。
事件は起きるけど劇的な冒険が始まるわけでもなく、決定的な転機が華々しく展開されるでもないので人によってはかなり退屈な話だと思われます。推理小説沼にいた頃の自分だったら読むの苦痛だったと思います。時間と心境の変化だな……
しかし読ませるのはひとえに作者の文章ゆえに。自分にはまず書けないし、書こうともあまり思いませんがきっと読む味わう分には好きなんだな。
「古道具中野商店」でした(・∀・)/
「さよなら」をいう前に、「おかえり」僕の夏(*^o^*)/