神話の時代、権力の前に敗れた美しくも哀しき愛……
◇隼別王子の叛乱◇
田辺聖子
ヤマトの大王の想われびと、女鳥姫と恋におちた隼別王子は大王の宮殿を襲う。愛と権力を賭けた血なまぐさい叛乱の夢は、大王の前にあっけなく破れ、隼別は女鳥姫とともに誅殺される。かつて宝塚でも上演され、劇画化もされた、「古事記」の中の濃密な物語。
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1.隼別王子の叛乱
2.冥界を飛ぶ白鳥(くぐい)
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月組公演
昭和53年(1978年)8月10日〜9月26日
宝塚ロマン『隼別王子の叛乱』15場
田辺聖子 原作(中央公論社刊)
作・演出 阿古健
*併演公演は『ラブ・メッセージ』
古事記の世界を背景に、ロマンの香り高い田辺聖子氏の同名原作を舞台化したもので、華麗でロマンティックな作品。倭国の支配者になった大鷦鷯大王は、若く美しい女鳥姫(小松美保)を妃にすむため宮殿へ連れてくるように弟の隼別王子(榛名由梨)に命じる。しかし運命のいたずらか、隼別王子と女鳥姫は一目見て愛し合うようになり、女鳥は大王の妃になることを拒む。大王の意に逆らえばいずれは誅殺されてしまう……隼別王子の舎人雄鹿は、先手を打って大王を討つことを進言する。
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「隼別王子の叛乱」です(・∀・)
初の田辺聖子作品です。エッセイと古典小説のイメージが強いのですが、彼女の作品は80年代の宝塚で多く登場するので来年はたくさん名前を見ると思います。
そんなわけで本書。古事記と日本書紀に描かれている、女鳥姫をめぐる隼別王子とその兄大鷦鷯大王(仁徳天皇)の争いを主軸に、隼別王子と女鳥姫の情愛と悲恋を幻想的な文章で書いています。
っていうか大まかなあらすじが名作「あかねさす紫の花」と変わらん← 昔の皇族ってマジ何やってんの……って感じだ←
2人の激しい情愛のちに悲恋に反して鷦鷯大王とその妃、磐乃媛の強烈な愛憎と一歩も引かない陰謀は思いっきり醜く見せています。しかも2人ともものすごく強欲でそれに対してすごく利己的なので余計に醜い。
磐乃媛はすっごく嫉妬深かったと描かれてますが本書を読むと愛されないこと醜いことに苦しみ、それを悟らせたくなかったことがよく分かります。しかし彼女が愛した住ノ江王子だけ天皇になれなかったなんて皮肉ですね……最後の意外な正体に気が付かなかったことが妃の負けだったのかも。
「隼別王子の叛乱」でした(・∀・)/
とあるお店での恋と友情(*^o^*)/