コーネル・ウールリッチ No.12◇黒衣の花嫁◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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男を次々に魅了した挙句、手にかけるその女は何者か?

 

 

 

 

 

◇黒衣の花嫁◇ -The Bride Wore Black-

コーネル・ウールリッチ 稲葉明雄 訳

 

 

彼女はシカゴに行くといいながら、次の駅で降り、ニューヨークに舞い戻った。そして持ち物からイニシャルをすべて消し去り、新しい女に生まれ変わった。五人の男の花嫁になったのも、それからしばらくしてからだった――男を次々と殺してゆく黒衣の花嫁に。だが、なぜ……サスペンスの巨匠の名作。

 

 

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友人と別れたジュリーはシカゴに行くと言いながら次の駅で降りてニューヨークに戻って来た。そして全ての持ち物からイニシャルを消すと5枚の紙を燃やした……

 

 

ブリス、ミッチェル、モラン、ファーガスン……身分も職業も家族構成も全く違うこの男たちは最近事故死を遂げた。一見事故だ。しかしその4人には死ぬ直前、謎の女の影があるのだ……見た目も歳も全く違うがとにかく同じ女なのだ……ウォンガー刑事はブリスの友人コーリーと共に謎の女を追うが……

 

 

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「黒衣の花嫁」です(・∀・)

 

 

フランスでも映画化されたという、ウールリッチの代表作の1つです。「花嫁」とはついているけど結婚のけの文字は出ません。……じゃあなんで? 読めば分かりますよ。

 

 

 

一見何の共通点もないのに殺される男……強いて言うなら死ぬ直前に易々と生活圏に入り込むことに成功した謎の女に魅了されたことだけ。謎も謎です。しかも無関係の人間は絶対に殺さず、無実の人が捕まることには我慢出来ずに電話します。この時点で女が狂人ではなくかなり頭の良いまともな人であることがわかり、それなら「そこまで殺したい理由はなんなの?」と悩まずにはいられません。

 

 

殺された男たちにも微かに後ろ暗い秘密があることが少しずつ分かってきます。この時点になると「そこまでして殺したいなんて4人の男たちってもしかして極悪人なんじゃ……」ちょっと謎の女に肩入れしたくなります。……が、待っていたのはまさかの結末。

え、ええー……なんとも後味の悪い……ウールリッチはなんて結末を用意したのか……しかもそのチャンスはまさにあったというのに……花嫁ってそういう意味か……なんて残酷……というかお前が1番悪人だよ!! なんか情緒不安定な人の感想みたいだ……←

 

 

「黒衣の花嫁」でした(・∀・)/

駅に事務員を迎えに来た敦と太宰。だが2人には連れがいてーーー(*^o^*)/