人間というのはなんとちぐはぐで、世界と誰かをなんと切なくさせるのだろうーーー
◇二人がここにいる不思議◇ -The Toynbee Convector-
レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫 訳
太めと痩せのカップルの、出会いと別れと再会の物語「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」、天国まで自慢のワインを持って行こうとする呑んべえ領主に抗して村人たちが考えた作戦が意表をつく「ご領主に乾杯、別れに乾杯! 」など、23編のジンワリいい話を集めた待望の短編集。ちぐはぐな会話としんみりした読後感が楽しい表題作は、今は亡き両親をレストランに招待した男の話。
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
1.生涯に一度の夜
(One Night in Your Life)
2.トインビー・コンベクター
(The Toynbee Convector)
3.トラップドア
(Trapdoor)
4.オリエント急行、北へ
(On the Orient, North)
5.十月の西
(West of October)
6.最後のサーカス
(The Last Circus)
7.ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動
(The Laurel and Hardy Love Affair)
8.二人がここにいる不思議
(I Suppose You Are Wondering Why WeAre Here?)
9.さよなら、ラファイエット
(Lafayette, Farewell)
10.バンシー
(Banshee)
11.プロミセズ、プロミセズ
(Promises, Promises)
12.恋心
(The Love Affair)
13.ご領主に乾杯、別れに乾杯！
(One For His Lordships, and One For the Road!)
14.ときは六月、ある真夜中
(At Midnight, in the Month of June)
15.ゆるしの夜
(Bless Me, Father, for I Have Sinned)
16.号令に合わせて
(By the Numbers!)
17.微かな棘
(A Touch of Petulance)
18.気長な分割
(Long Division)
19.コンスタンスとご一緒に
(Come, and Bring Constance!)
20.ジュニア
(Junior)
21.墓石
(The Tombstone)
22.階段をのぼって
(The Thing at the Top of the Stairs)
23.ストーンスティル大佐の純自家製本格エジプト・ミイラ
(Colonel Stonesteel's Genuine Home-made Truly Egyptian Mummy)
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
「二人がここにいる不思議」です(・∀・)
新潮社初ブラッドベリです。創元社や早川とはまた違うブラッドベリ作品集です。未読作品ばっかりで良かった〜
ブラッドベリ作品の後味には色々ありますが今回のは会話や人はどこか現実味が無くてちぐはぐでしんみりしていて、じーんとなる後味多しです。自分の人生にもそんな夜が来るのだろうか？ それとももう終わってしまったのか。表題作は「死」の文字は1つも無いのに両親はもう自分とは違う存在なんだ、と思わせるところは流石です。15はこれからの季節にはぴったりだと思います。
勿論そうじゃない作品も有ります……ねぇ、3とかまた10年後に同じ惨劇起こるの？ あとその愛って
ブラッドベリお馴染みのグリーンタウンシリーズ、アメリカのどこかにひっそり住む異形の一族、アイルランドのパブ吞んだくれ集団シリーズも健在、身体が焼かれて意識だけになっちゃった！ 悪く言うなら何の変事も起こったことのないグリーンタウンに古代からの歴史の遺物がやってくる！ お墓にワインなんてそうは問屋が卸さないぜ、と奮闘する話だけど酒は飲んでこそ高価値ですぜ故キルゴッテン卿←
「二人がここにいる不思議」でした(･∀･)/
強盗に使う凶器はアイスピック！ 一度は犯人を逮捕できたが……(*^o^*)/