カルロ・アンダーセン◇遺書の誓ひ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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公爵が何者かに射殺された! 裏に潜むのはダイヤモンド盗難と一次大戦が絡む奇妙な遺言書!?

 

 

 
◇遺書の誓ひ◇
カルロ・アンダーセン 吉良運平 訳
 
 
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スター新聞の記者バシイル・スチュアートはスタンフォード公爵フィンズベリイ卿が殺害されたと聞いて私立探偵のハモンドを引っ張って別荘に赴く。このウィリアム・ハモンドは何度も難事件を解決している名探偵で有り、今回もその手腕を期待してでのことだ。
 
 
公爵は一次大戦で相次いで身内を亡くして爵位と財産を継いだ。事件現場になったのは別荘として使っていたカンブレイのお屋敷だ。そこには当時執事、公爵の友人3人、弁護士、義妹のフィンズベリイ夫人とその甥、侍女がいた。更にはダイヤモンドも紛失した。殺人と窃盗の犯人はこの中にあることになるが……
 
 
さて、公爵は変わった遺言書を作成していた。彼には戦争中、8人の仲間がいて1人が死ぬたびにその人間の財産が3分の2がその基金に繰り入れられる。その財産を継ぐのは生き残った8人目である。今のところ3人が死に、1人が生死不明でその財産は18000ポンドにまでなった。動機はそれなのか? 容疑者がついていた嘘、意外な正体、新しい遺体が見つかる中でハモンドは戦争中に起こったある事件を耳にする……
 
 
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「遺書の誓ひ」です(・∀・)
 
 
ついにデンマーク・ミステリ本格始動〜! デンマークで初めて本格ミステリーを書いたと言われているカルロ・アンダーセンからスタートです。しかしやはり英国が舞台じゃないと受けない!と思ったのか舞台はまんま英国だし、主人公も英国人。これよりも影響受けまくり……北欧ミステリーは今、ミステリー界の一大ジャンルなのに、そんな時代もあったんだなぁ……
 
 
本書は一次大戦後が絡む本格ものです。あやしい容疑者、争いの火種になる遺言書に生死不明の男……謎が沢山あって読み応えあります。翻訳の出来はともかくとして← また語り手のスチュアート、私立探偵のハモンドの掛け合いが上手い味を出しています。スチュアートは記者なので頭良いし、ユーモアもあります。特に最後笑 今のデンマーク・ミステリーにはない終わり方だ。
 
 
デンマークは1番小さいながら歴史も古いし、幸福度も高いし、優れた文化人も沢山輩出しています。しかしそんな国でも光濃ければ闇深し、なわけで……「特捜部Q」でも垣間見ていますが、カールは男だし、読み進めるうちに女性や子ども、お年寄りにも沢山会うでしょう。考えも違うはず。そこをこれからたっぷりと知っていこうと思います……
 
 
「遺書の誓ひ」でした(・∀・)/ 
ついに最終巻! 逆行して悍ましい悲劇が起きる!(*^o^*)/