「つまらない女」と恋に落ちたらもう彷徨うだけ、2度と帰れないーーー
◇溺レる◇
川上弘美
二人で何本も徳利を空にして、ゆらゆらと並んで歩く暗い夜の情景―「さやさや」。ちょっとだめな男とアイヨクにオボレ、どこまでも逃げる旅―「溺レる」。もっと深い仲になりたいのに、ぬらくらとすり抜ける男―「七面鳥が」。恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しむ、傑作短篇集。女流文学賞・伊藤整文学賞受賞。
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1.さやさや
2.溺レる
3.亀が鳴く
4.可哀相
5.七面鳥が
6.百年
7.神虫
8.無明
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「溺レる」です(・∀・)
川上弘美流のどこか掴みどころのない非現実的な、けれど心の何処かに「惜しむように」寄り添ってくれる恋愛短篇集です。
どこまでも歩く2人、別れを切り出された女の傍で鳴く亀、情死して生き残った男を想う女、姦通で不死を手に入れてしまった男と女……こんな恋愛の場面など見たことないのに「ありえない」と切り出せないのは出来事ではなく、男女の心に思うところがあるからか。
登場する男女は皆、カタガナで特定の誰かではない、もしかしたら身の回りの誰かかもしれないし、あなたのこともかも知れない。と思ってしまう。女は皆、流されてされるがままの無気力な女たちですが、そのくせ魔性的なところがある。だって男はなんだかんだ離れられないんだから。「離れない」のではなく、「離れられない」。ここ大事。
「溺レる」でした(・∀・)/
次はえ〜……アイスランドかデンマークミステリのどっちかです←ぐだぐだにも程がある(*^o^*)/