林真理子 No.4◇私はスカーレット Ⅳ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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荒れ果てたタラと屋敷とそこに住む人たちの為に生き延びてやる!!

 

 

 

 

◇私はスカーレット Ⅳ◇ -I am a Scarlet Ⅳ-

林真理子

 

 

戦火をくぐり抜け、命からがら愛する故郷に帰ってきたスカーレット。そんな彼女を迎えたのは、何もかも敵軍に奪われ、全てを失った農園タラだった。母は疫病で命を落とし、父親は変わり果てた姿に。絶望の淵に立たされたスカーレットは、それでもタラの大地の土を握りしめて誓う。「神さま、見ていてください。必ず生き抜いてみせます。そしてこの戦いが終わったら、私はもう二度と飢えはしません。そのために盗みや殺しを犯すことになっても」。敗戦、疫病、死、再生…。今だから胸に刺さる永遠の名作『風と共に去りぬ』を、林真理子が鮮やかに甦らせる! 衝撃の第4巻。

 

 

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疲労困憊で帰って来たスカーレットを待っていたのは荒れ果てた屋敷と自失した父、そして愛する母の死という残酷なものだった。もう今までの華やかなりし日々は終わってしまったのだ……これからは自分がやるしかないのだ。タラを再興し、皆を飢えさせない為に!

 

 

スカーレットはお嬢様暮らしと決別し、自ら働き始める。激変した環境下に落ちて妹や使用人たちは渋るが……その中で隣近所との助け合いだけが救いだ。一方メラニーとの間に思いもよらない一種の絆が生まれる。

 

 

激変したのはタラやスカーレットたちだけではない。皆、変わってしまった。明日食べるものにも困るようになった若い女性たちの中には家の為にかつて彼らに雇われ、戦争で成り上がった使用人たちと結婚するまでに追い込まれた。成り上がり者の中にタラを欲しがる人間がいると言う。そんなの許せない! しかし税金300ドルをどこから調達する? そんな中……愛するアシュレが帰って来た!

 

 

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「私はスカーレット Ⅳ」です(・∀・)

密かに楽しみにしているこのシリーズ、やっと読めました。本書は新潮文庫版で行くと2巻のラストから3巻の真ん中、第4部あたりまで。華やかなりし日々が「風と共に去りぬ」を目の当たりにします。同時にスカーレットもあのお嬢様暮らしと永遠にさよならをします。慣れた環境を忘れるのはとても辛いことなのにスカーレットのこの強さには胸を打たれます。我が儘お嬢様から強かな女性への脱皮の瞬間です。

 

 

そしてメラニー。メラニーも本性をだんだん見せていきます。脱走兵と対峙するスカーレットの前にサーベルを持って現れ、台所の火を消し、スカーレットの為にただ1人戻ってきたメラニー。この時からどんどんメラニーも強さとしなやかさを見せます。スカーレットは表面的なことしか理解できないけど← メラニーの真意を理解するのはもっともっと後のこと……

 

 

戦争が終わり、おかえりアシュレ。ボロボロの兵士がアシュレだと気がつかなかった時点でスカーレットの負けだ。本当にどーしてアシュレのことになると頭がお花畑になっちゃうのか……もう随所随所にアシュレを理解していない節が詰まりまくって読んでいてものすごく苛々しました← 新参者のウィル(しかし有能)でさえ本質を理解しているっちゅーのに……最後の言葉には「ならねぇよ!!」と惜しみないツッコミをあげたい。

 

 

なお、前回スカーレットを置き去りにしたレットは風の噂のみの登場。大金を得て凱旋。次はカーテンドレスでのご対面なので早くその場面を読みたいところです、はい。

 

 

「私はスカーレット Ⅳ」でした(・∀・)/ 

次は〜……すみません、何になるか分からないです←え (*^o^*)/